トーハン週報より ポイントカード中止のお願い ( No.1 ) |
- 日時: 2004/01/13 08:58
- 名前: BOOKSルーエ<
>
- ポイントカード中止のお願い
出版業界はこれまで定価販売と委託制度とを両輪として、多様な出版物を比較的容易に刊行できる体制を構築して参りました。 またそれにより読者に対し常に多くの出版物のなかから必要な一冊が選択でき、かつ全国どこでも同一内容の商品を同一価格で入手できるという利便性を提供して参りました。 一方国家の文化的、教育的見地から見ても、国民の知的向上を図っていくためには、自由で旺盛な出版活動が保障されていることが重要であります。 読者に対し広くあまねく、公平に供給しようとする定価販売と委託制度がこれを保障し、知識や文化の普及・拡大に多大な貢献してきたことは言を待ちません。 先達が生み出し、長年にわたり我々の英知と努力で築き上げてきたこれらの制度は、読者にとって最大の利益を提供する源であり、かつ国家の繁栄と国民の知的向上を支えるかけがえのない仕組みといえます。 弊社は将来に渡り出版環境の安定的な発展をめざすため、これらの制度を揺ぎないものとしていくことこそ出版にかかわるものの責務と認識しております。 そのためには再販契約が誠実に遵守されることが重要です。 しかしながら現在実施されているポイントカードシステムの内、割引に類する行為に該当するものは再販契約違反となり、一昨年来出版社各社がその見解を表明されています。 出版業界ではかつて割引行為が横行し、業界全体が疲弊してしまった歴史があります。 それは自店のみが割引を行うという、他店の犠牲の上に利益を求める利己的で反規範的行為がもたらした結果です。 弊社はかねてよりこれを放置すれば再販制度崩壊につながると深く憂慮してきました。 従って、この間の出版社各社の表明を受け、出版再販研究委員会での研究及び議論の経過を踏まえ、再販契約に則り以下の通りあらためてお願いするものです。 上記にかかわるポイントカドを実施している場合、再販出版物の購入時にポイントを付与する事や、蓄積されたポイントで再販出版物の割引販売をすることのいずれの場合も再販契約違反となり、即時中止をお願いします。 もし中止されない場合は、再販売価格維持契約(取次一書店)第5条により、出版社様が示されている方針に沿って措置を講ずることになります。 尚弊社は今後本件につき、当該お取引先各位とのお話し合いを持たせていただき、当社の考えや再販制度についての充分なご理解を頂戴したいと考えております。
以上 (トーハン週報 2004.1.9・16 P.8より)
|
|