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日販・PHP研究所・大日本印刷/POD用いて受注出荷率90%を実現
日時: 2022/05/27 19:11:36
情報元: 日書連

日本出版販売(日販)はPHP研究所、大日本印刷(DNP)とともに、デジタル印刷技術(POD)を用いた商品供給体制を構築し、2021年12月時点の受注出荷率が90%(前年比37ポイント増)と大幅に改善した。
日販は持続可能な出版流通の実現を目指して改革に取り組み、これまでもアドバンスMDやリリーフAなどの商品供給サービスを作りながら、店頭売上の最大化や返品率の削減に取り組んできた。しかし、ジャンルや商品によっては書店の注文に応えることができず、潜在的な注文も含め機会損失を発生させていた。
こうした状況を受け、21年5月から、書店店頭の欠品防止による売上拡大、および返品や製造ロスが極力発生しない商品供給の実現を目指し、DNPのPODを用いて、PHP研究所と受注出荷率向上の取り組みを開始した。PHP研究所は同年1月から、書店の収益改善を目的とする日販の施策「PPIプレミアム」にも参画している。
今回は、PHP研究所の商品ジャンルの中でも特に受注出荷率が低い傾向にあった文庫・新書でPODの取り組みを実施した。
この取り組みでのPODは、1冊単位での製造を行うオンデマンド方式ではなく、市場在庫が僅少な商品を対象に、必要数を事前に予測して製造と供給を行う少部数製造方式。具体的なフローは、(1)日販からPHP研究所へ、受注・売上動向を元に2週間分の需要予測を行い、必要数を発注、(2)PHP研究所からDNPへ、出版社在庫が欠品する前に必要数が満数供給されるよう、POD製造を依頼し倉庫へ納品、(3)PHP研究所の倉庫から日販に必要数を満数納品、日販から書店へ出荷、(4)受注に対する出荷実績を日販よりPHP研究所へ提供。
現在このフローは安定稼働しており、受注出荷率が20年12月の53%から21年12月は90%へと大幅に改善。出荷金額に換算すると前年比38%増と大幅に増加した。
今後、3社は出荷率をはじめとする課題のさらなる改善を図るとともに、需要予測の活用なども加え、書店の収益改善につながる出版流通改革のスキームのモデルを研究し、POD製造の在庫を日販に直接納品してもらうなど、製造・流通の一体化に向けて取り組んでいく。また、今回の事例を踏まえた取り組みについて、より多くの出版社に参画してもらえるよう提案していくとしている。
メンテ

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