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日販GHD決算、減収減益に/巣ごもり需要の反動で取次、小売事業が減収
日時: 2022/08/15 14:01:27
情報元: 日書連

日販グループホールディングス(日販GHD)は6月2日、2021年度決算(21年4月〜22年3月)を発表した。海外、雑貨、コンテンツ事業は好調だったものの、取次、小売事業の減収が響き、連結子会社34社を含む連結経営成績は減収減益となった。
日販GHDの売上高は5049億9300万円(前年比3・1%減)、営業利益は28億4000万円(同31・6%減)、経常利益は36億4000万円(同17・5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億9000万円(同43・0%減)となった。
事業別では、取次事業は前年の巣ごもり需要の影響を受け、売上高4605億2400万円(同3・9%減)、営業利益10億3900万円(同11・6%減)、経常利益13億3600万円(同2・7%減)で減収減益となった。書籍は増収となったものの、雑誌、コミック、開発品が減収だった。
小売事業は売上高616億1400万円(同0・8%減)、営業損失2億4600万円(前年は3億2800万円の黒字)、経常損失800万円(前年は3億3600万円の黒字)で減収減益となった。郊外ロードサイド店など前年巣ごもり需要で好調だった店舗が大きく影響を受けた。前年大ヒットしたコミックが反動減となったほか、主要アイテムすべてで減収となった。グループ書店の新規出店は8店舗、閉店は19店舗で、22年3月末時点の店舗数は234店舗となった。
海外事業は売上高70億9600万円(同12・8%増)、営業利益2億2600万円(同33・8%増)、経常利益2億2700万円(同34・5%増)。海外駐在員向け物資送付サービス事業「CLUBJAPAN」の好調で、売上高、営業利益ともに過去最高となった。
雑貨事業は売上高31億9100万円(同27・9%増)、営業利益2億2400万円(同104・4%増)、経常利益2億7200万円(同68・5%増)。こちらも売上高、営業利益ともに過去最高を記録した。ダルトンの既存店10店舗中9店舗が増収となり、当期新規店の名古屋、大宮も好調だった。
コンテンツ事業は売上高28億7000万円(同47・5%増)、営業利益5億2500万円(同4・4%減)、経常利益5億3100万円(同3・9%減)。海外コミックの国内配信事業「Rush!」が伸長し増収を達成した。減益は事業拡大に伴う人員増強やWebtoon作品制作への投資影響による。
エンタメ事業は検定・イベントに一部中止・延期があったものの、コロナ対策することで46の検定・イベントを開催。売上高14億7300万円(同15・1%増)、営業損失400万円(前年は1500万円の赤字)、経常損失400万円(前年は1600万円の赤字)で赤字幅が縮小した。
不動産事業は新お茶の水ビルディングおよび仙台、名古屋、大阪に所有する各オフィスビルで空室率が1%を切る水準で堅調に推移し、売上高30億9600万円(同0・2%増)、営業利益11億7100万円(同4・3%増)、経常利益10億9500万円(同4・7%増)となった。
ESG(環境・社会・企業統治)を重視した経営の推進について、吉川英作社長は「日販グループにとって最も注力しなければならない概念。日販が取り組む出版流通改革と表裏一体」と強調。返品率を2030年までに15%に削減することで、CO2排出量を26%、2万1000トン削減したいと目標を掲げ、「返品削減はプロフィットを生み出すだけでなく、地球環境への配慮と労働環境改善のどちらにも資する」と社会貢献を重視する姿勢を明確にした。
日本出版販売(日販)単体の売上高は4074億6300万円(同3・0%減)、営業利益7億3400万円(同27・6%減)、経常利益9億3400万円(同19・1%減)、当期純利益4億8500万円(同22・5%増)だった。
商品別売上高は、書籍2118億4300万円(同3・6%増)、雑誌1004億2000万円(同8・0%減)、コミックス717億7400万円(同18・5%減)、開発品249億9300万円(同7・9%減)。書籍は取引先拡大で増収となったが、雑誌は売上げ減に歯止めがかからず減収、コミックスは前期のメガヒットの反動で大幅減となった。
返品率は、書籍27・0%(同1・7ポイント減)、雑誌48・4%(同1・3ポイント増)、コミックス24・4%(同4・7ポイント増)、開発品44・1%(同8・1ポイント増)で、合計34・5%(同0・9ポイント増)と悪化した。書籍返品率は出版流通改革の粗利改善施策などの効果によって着実に改善している。
出版社に求めている運賃協力金は、書籍で約450社、雑誌で約360社から協力を得ているとした。
取引書店数は2526店(同70店減)。
メンテ

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