出版・書店 業界 NEWS BOOKSルーエ


出版書店 業界NEWS TOPへ > 記事閲覧           新文化 定期購読 受付  

取次・小売事業が大幅減収/日販の売上高2000億円割る/日販GHD上半期決算
日時: 2023/01/28 16:42:47
情報元: 日書連

日販グループホールディングス(日販GHD)は11月25日、2022年度上半期(22年4月〜9月)決算を発表した。売上高は前年同期比10・8%減の2198億1300万円、営業損失は1億400万円(前年同期は16億4500万円の利益)、経常利益は同99・2%減の1500万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同19・9%増の11億7800万円だった。取次・小売事業で大幅減収となったことが影響し、営業損失を計上した。しかし、取次・小売事業の不振を他事業でカバーし、経常黒字は確保。不動産事業での土地・建物の交換差益により、親会社株主に帰属する中間純利益は増益となった。
事業別では、取次・小売事業が想定以上の市況悪化で減収・赤字となった。一方、海外・雑貨事業は国際情勢や消費行動が変容する中で健闘した。コンテンツ・エンタメ事業は売上・利益ともに拡大し、不動産事業は堅調に推移した。
各事業の業績は次の通り。
▽取次=売上高2006億7600万円(同11・4%減)、営業損失7億6200万円(前年同期は5億9300万円の利益)、経常損失6億3800万円(前年同期は7億2100万円の利益)▽小売=売上高256億6800万円(同12・0%減)、営業損失3億1800万円(前年同期は100万円の損失)、経常損失3億4000万円(前年同期は5300万円の利益)▽海外=売上高34億5000万円(同2・7%増)、営業利益9900万円(同7・4%減)、経常利益9500万円(同13・2%減)▽雑貨=売上高16億2700万円(同9・4%増)、営業利益6400万円(同35・2%減)、経常利益6500万円(同45・7%減)▽コンテンツ=売上高19億7900万円(同45・0%増)、営業利益3億2500万円(同13・6%増)、経常利益3億2600万円(同14・0%増)▽エンタメ=売上高6億800万円(同14・2%増)、営業利益800万円(前年同期は3800万円の損失)、経常利益800万円(前年同期は3800万円の損失)▽不動産=売上高15億9700万円(同1・7%増)、営業利益6億2400万円(同1・0%増)、経常利益5億7900万円(同0・3%増)▽その他=売上高39億5800万円(同3・9%減)、営業損失1400万円(前年同期は9200万円の利益)、経常利益8100万円(同55・8%減)
日本出版販売(日販)の売上高は同11・7%減の1775億4100万円、営業損失は6億2600万円(前年同期は4億3700万円の利益)、経常損失は4億9400万円(前年同期は5億3200万円の利益)、中間純損失は5億8400万円(前年同期は3億4800万円の利益)だった。減収による売上総利益率減少に加え、送品高に占める運賃構成比の上昇、光熱費の高騰も重なり赤字決算となった。
商品別売上高は書籍が同12・7%減の888億5400万円、雑誌が同5・6%減の462億7900万円、コミックスが同14・2%減の314億8100万円、開発品が同11・6%減の113億3400万円といずれも減収となった。
返品率は雑誌が同3・7ポイント減の46・8%と改善したが、書籍は同2・6ポイント増の31・6%、コミックスが同2・5ポイント増の27・5%、開発品が同0・7ポイント増の41・9%と悪化し、合計は同0・4ポイント増の36・3%となった。
奥村景二社長は「日販の売上高が2000億円を切り、マーケットが急速に変化しているという事実に対応する力を持ちえなかった。下期から改革のスピードを上げ、中長期的に利益を出し続ける構造に変える。マーケットに合わせた質の高いトランザクションを増やし、成長ビジネスの創造を拡大していく。当面の課題は書店の構造的赤字の解消と、業界および社内のコスト削減だ」と話した。
メンテ

Page: 1 |