年末年始の店頭売上/トーハンは2・9%減、日販は4・4%減/雑誌は「大河」関連本が牽引し堅調
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- 日時: 2023/01/28 16:56:27
- 情報元: 日書連
- 年末年始(22年12月29日〜23年1月3日)の書店店頭売上動向をトーハン、日本出版販売(日販)が発表した。これによると、トーハン調べが前年比2・9%減、日販調べが同4・4%減となった。
トーハンの発表(1553店)によると、年末の売上は書籍1・8%増、雑誌1・6%増、コミック14・2%減、MM(マルチメディア)5・7%減、総合1・6%減。年始は書籍1・5%減、雑誌1・2%減、コミック14・9%減、MM5・9%減、総合4・6%減。期間計は書籍0・3%増、雑誌0・6%増、コミック14・5%減、MM5・8%減、総合2・9%減だった。 期間中の購入客数は前年に比べ7・4%減少したが、客単価は4・2%増加したため、総合売上は2・9%減となり、出版物の定価上昇傾向によって客数減少の影響は一定程度緩和された形になった。 書籍は、12月3日公開の映画の関連書『THEFIRSTSLAMDUNKre:SOURCE』(集英社)が好調で、既刊の書籍扱いコミック『SLAMDUNK新装再編版』シリーズも売上を伸ばした。ジャンル別ではゲーム攻略本が70・7%増と大幅伸長。11月に発売された「ポケットモンスター」新作ゲームの攻略本『ポケットモンスタースカーレット・バイオレット公式ガイドブック完全ストーリー攻略』(オーバーラップ)が上位にあがった。雑誌は、ムックが3・5%増。『NHK大河ドラマ・ガイドどうする家康前編』(NHK出版)などの大河ドラマ関連銘柄が伸長した。コミックは、12月までアニメ放映の『チェンソーマン』(集英社)、1月からアニメ第2クール放送の『ブルーロック』(講談社)など、アニメ化作品が良好な売行きだった。 日販の発表(1418店)では、年末の売上は書籍4・5%減、雑誌0・5%減、コミック4・4%減、開発品0・7%増、合計3・3%減。年始は書籍6・2%減、雑誌1・7%減、コミック8・3%減、開発品1・9%減、合計5・9%減。期間計は書籍5・3%減、雑誌0・9%減、コミック6・3%減、開発品0・4%減、合計4・4%減となった。 売上動向を店舗立地別に見ると、駅前・駅中が1・9%減で、ロードサイドの5・2%減やインショップの4・6%減に比べやや良好な結果に。3年ぶりに行動制限のない年末年始となり、帰省や旅行で交通機関の利用者が増加したことが影響したとみられる。 書籍は、全ジャンルで前年割れに。『ポケットモンスタースカーレット・バイオレット公式ガイドブック完全ストーリー攻略』(オーバーラップ)や、12月24日放送のTBSテレビ「王様のブランチ」で紹介された『変な絵』(双葉社)、「最強王図鑑」シリーズの最新作『最強王キャラ図鑑』(Gakken)などが好調だった。雑誌は、ムックで『どうする家康前編』(NHK出版)が、前年の『鎌倉殿の13人前編』と比較し、本体価格の値上げに加え、売上冊数が約20%増となり売上を牽引した。コミックは、前年の『呪術廻戦18』(集英社)の影響で雑誌・開発品扱いコミックが苦戦。一方、映画がヒット中の『THEFIRSTSLAMDUNKre:SOURCE』(集英社)が好調で、書籍コミックは59・3%の大幅増となった。
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