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日販GHD、減収赤字決算/取次・小売事業の不振で
日時: 2023/08/26 14:43:23
情報元: 日書連

日販グループホールディングス(日販GHD)は6月1日、2022年度決算(22年4月〜23年3月)を発表した。海外及びコンテンツ事業などは好調だったものの、主力の取次及び小売事業の不振が響き、連結子会社35社を含む連結決算は減収・赤字となった。
日販GHDの売上高は4440億100万円(前年比12・1%減)、営業損益は4億1700万円の赤字(前期は28億4000万円の黒字)、経常損益は1億5800万円の赤字(前期は36億4800万円の黒字)、親会社株主に帰属する当期純損益は2億1800万円の赤字(前期は13億9100億円の黒字)。
事業別では、海外及びコンテンツ事業は過去最高売上高・営業利益を達成し、エンタメ事業も増収・黒字転換。雑貨及び不動産事業は増収減益だった。
取次事業の売上高は4023億1400万円(同12・6%減)。既存店の店頭売上減少、閉店による取引書店数の減少に加え、他社への取引変更が影響し、金額ベースで580億円の大幅な減収となり、営業損益も24億2900万円の赤字(前期は10億3900万円の黒字)となった。
小売事業の売上高は537億2400万円(同12・8%減)。「駿河屋」の出店や「ガシャポンバンダイオフィシャルショップ」の導入で雑貨、ゲーム、トレカなど新規事業の売上は拡大したが、本やレンタルの落ち込みが大きく、減収となった。営業損益も1億5800万円の赤字(前期は2億4600万円の赤字)となった。
日本出版販売(日販)単体の売上高は3550億9500万円(同12・9%減)、営業損益は20億6700万円の赤字(前期は7億3400万円の黒字)、経常損益は18億5600万円の赤字(前期は9億3400万円の黒字)、当期純損益は22億9700万円の赤字(前期は4億8500万円の黒字)。売上総利益が前期比43億円減少、送品に占める運賃割合の増加や光熱費が高騰し、販管費の削減が前期比15億円減にとどまったことで営業赤字となった。
商品売上高は、書籍が1818億8100万円(同14・1%減)、雑誌が911億9900万円(同9・2%減)、コミックスが637億5700万円(同11・2%減)、開発品が220億8300万円(同11・6%減)。いずれのジャンルも減収となり、商品売上全体で前年比501億円減収となった。この減収要因のうち276億円は書店ルートで、既存店売上の減少で84億円、閉店影響で90億円、取引変更影響で110億円の減収になったという。新規店影響による増収は8億円だった。
返品率は、書籍が29・8%(同2・8ポイント増)、雑誌が46・8%(同1・7ポイント減)、コミックスが26・5%(同2・1ポイント増)、開発品が42・9%(同1・2ポイント減)で、合計35・4%(同0・9ポイント増)と悪化した。
日販の奥村景二社長は売上減少の要因を「来店客数が想定以上の比率で落ちている」と説明し、月1回程度書店に足を運んでいたライトユーザーを再度書店に呼び込み、本のない生活を送る人たちを読者に変える施策が必要と強調した。
また、運賃が物量に応じて減らず固定費化していることを課題に挙げ、「配送コースの再編で運賃上昇の抑制に一定の効果はあったが、業量減少による配送効率悪化を押し留めるには至っておらず、さらなる対策が喫緊の課題」と述べ、関係者に協力を要望。来年度に新物流センターを稼働させ、現在の拠点を統廃合することで固定費の圧縮を図る考えを示した。
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