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第70回江戸川乱歩賞発表 霜月流、日野瑛太郎の2氏が受賞
日時: 2024/06/30 20:45:04
情報元: 日書連

日本推理作家協会主催の第70回「江戸川乱歩賞」(後援=講談社、フジテレビジョン/協力=豊島区)が5月10日に発表され、霜月流氏の『遊郭島心中譚』、日野瑛太郎氏の『フェイク・マッスル』の2作品が受賞した。今回の応募作品数は395編。
 霜月氏は東京都出身、学習院大学卒の30歳。『五分で読める驚愕のラストの物語』(集英社)に参加経験がある。日野氏は茨城県出身、東京大学大学院専攻修士課程修了の38歳。同賞の最終候補に選ばれたのは、第67回、第68回、第69回に続いて4回目。
 『遊郭島心中譚』は幕末の日本を舞台に歴史の転換点で二人の女性が時代の流れに抗いつつ事件の真相を探る時代ミステリ、『フェイク・マッスル』は週刊誌の新人記者がボディビル大会に上位入賞した人気アイドルのドーピング疑惑に迫るノンストップミステリと、個性の異なる2作品が選ばれた。
 同日に東京・豊島区のシアターミクサで行われた発表会見で、霜月氏は「うれしい以外の言葉が出てこない」と喜びを表し、「幕末に来航した地理学者が、横浜の沼地の上にあった港崎(みよざき)遊郭を遊郭島と表現した言葉に刺激を受け、そこから話を展開させていった」と創作の様子を語った。また、日野氏は「うれしい以上にほっとしている」と心境を話すとともに、本作については自信がなかったが「これではまずいと1ヵ月で全部書き直した。大変だったがあの時がんばって良かった」と執筆時の苦労を振り返った。
 選考委員の日本推理作家協会・貫井徳郎代表理事は、「『遊郭島心中譚』は幕末を舞台にした本格ミステリ、『フェイク・マッスル』は乱歩賞ではめずらしいユーモアミステリと、対照的でレベルの高い2作品が受賞した」と述べ、70回を飾る良い受賞作が出せたと総評した。
メンテ

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