【 再販弾力運用の取り組みを報告 】
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- 日時: 2005/12/23 08:12
- 情報元: 日書連
出版4団体で構成する出版流通改善協議会(相賀昌宏委員長)は12月9日午後3時半から、神楽坂の日本出版会館で開かれた再販関連会員説明会で、このほど発行した「2005年出版流通白書 再販制度弾力運用レポート第8号」の概要を説明し、現在の再販制度の状況や、「ブックハウス神保町」「謝恩価格本ネット販売フェア」など再販弾力運用の取り組みについて報告した。
会員説明会では、冒頭で相賀委員長が「公取委や政府の中に、規制緩和の後で、既得権益にメスを入れようという動きがあるように思う。
杞憂に終われば良いが日頃から準備を怠りなくしておかなければいけない。
弾力運用をすれば全てが守られるというものではないが、柔軟に何らかの対抗策を示せる、そういう地道な努力が重要だ」とあいさつした。
続いて、大竹靖夫委員が『弾力運用レポート第8号』の概要を説明した。
大竹委員は「公取委が再販制度の運用についての指導を具体的に、また積極性を強めている」と述べ、最近の主な動向として@昨年6月の第4回著作物再販協議会で、ポイントカードへの対応等で団体による共同行為があってはならないと指摘。
また、複合出版物は再販対象外商品も含まれ、定価表記には問題があると指摘があった。
A今年6月の第5回再販協議会で「謝恩価格本ネット販売フェア」の拡大と常設化を要請。
B今年2月、再販運用体制について再販委員会の朝倉委員長と日書連萬田会長(当時)に、それぞれ改善を強く要請。
C出版物公取協の景品規約見直しについて、年間を通じた読者サービスを要請――などを挙げた。
このうち景品規約問題について、大竹委員は「これは書店サイドのテーマだが、再販と強くかかわる問題。
出版社も取次も各々の考えを強く持つ必要があるのではないかと思っている」と述べた。
再販弾力運用の取り組みについて大竹委員は「謝恩価格本販売の常設化の要請からブックハウス神保町を10月12日にオープンした。
同じ日にスタートした第5回謝恩価格本ネット販売フェアは出版社82社1200点の参加となっている。
公取委からマルBの押印について改善要請があったため、今年の謝恩価格本フェアやブックハウス神保町では剥がせるシールで対応している。
ブックハウス神保町を開いてちょっとうれしく思ったのは、公取委の上杉総長が11月の記者会見で『現時点で再販の見直しは考えていない』と話したこと。
少しは効果があったかと思っている」と述べた。
このほか、10月に再販研究委員会の規約を改正、委員長の所属団体に事務局を置くこととし、議決規定や小委員会についての条項を削除したことを報告。
複合出版物については2月と9月に出版社にアンケートを実施、出版社の価格表示改善の意思は強まっていると報告した。
最後に、レポートの資料編に掲載しているトーハンと日販の書店経営調査の数値に言及して、「2004年の書店の当期利益はトーハンでは0・24%、日販ではマイナス0・27%となっている。
この状況で書店に年間を通じてのサービスが求められ、どのように対応するかで書店が苦慮している。
出版社としてもこのあたりの事情を踏まえていかなければならないと思っている」と結んだ。
終わりにあたってあいさつした菊池明郎・書協常任理事は、「ブックハウス神保町に商品供給の面で積極的にご協力いただきたい。
東京国際ブックフェアなど読者にアピールする場がいくつかあるが、公取委や学識有識者はそういうところを丹念に見ている。
こういう場を盛り上げていくためにも出版社の協力がぜひとも必要だ」と述べた。
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=4797 から引用
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