【 出版販売額2.1%減 】
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- 日時: 2006/02/14 08:38
- 情報元: 日書連
2005年の出版物販売額は書籍が前年比2・5%減の9197億円、雑誌が1・8%減の1兆2767億円で、合計では前年を2・1%下回る2兆1964億円になったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。
出版販売額は2004年に8年ぶりに前年を上回ったが、1年で逆戻りしてしまった。
出版販売額2兆1千億円台は、15年前の1990年の水準だ。
以下、『出版月報』1月号から2005年出版物販売状況を紹介する。
2005年出版物販売状況を発表した『出版月報』1月号によると、昨年12月期の出版販売額は3・4%減で4カ月連続のマイナスとなった。
9月以降、雑誌に加えて書籍も低調に推移しており、「年後半の景況は大きく後退している」と指摘している。
書籍の推定販売金額9197億円は前年比2・5%のマイナスだが、04年は『ハリー・ポッター』で4・1%伸びた影響があり、05年の販売金額は03年の9056億円を若干上回る水準になった。
ミリオンセラー5点のうち、2点が『頭がいい人、悪い人の話し方』、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』と教養新書だった。
このほか『下流社会』『バカの壁』『靖国問題』と教養新書が店頭を席捲した。
これ以外に、『ワルの知恵本』『野ブタ。
をプロデュース』『生協の白石さん』と価格千円以下の書籍の売行きがよく、その分、販売金額は伸び悩んだ。
返品率は04年に前年を2・1ポイント改善したが、05年は2・0%増加して38・7%と03年並みの水準に戻った。
新刊点数は前年比2・6%増の7万6528点。
一般書や実用書出版社が専門書や児童書ジャンルに、専門書出版社が検定試験に参入するなど他ジャンルへの進出が目立ち、点数増につながった反面、初版部数を抑えるなど推定発行部数の減少につながった。
新刊1点あたりの発行部数は5200冊。
新刊平均価格は1191円で前年より26円、2・1%下落した。
出回平均価格も15円、1・2%の下落。
出回平均価格は02年の1228円をピークに3年連続で減少している。
雑誌販売額のうち月刊誌は0・1%減の9905億円。
週刊誌は7・1%減の2862億円。
月刊誌が微減にとどまったのはコミックスの好調が原因で、定期は不振。
週刊誌も大部数のコミック誌が低落傾向にあり、分冊百科の激減と合わせて過去最大の落ち幅となった。
返品率は月刊誌が1・0ポイント上昇して34・4%。
週刊誌も1・5ポイント増の27・3%。
雑誌の発行状況は月刊誌が0・3%増、週刊誌5・0%減。
合計で1・4%減。
月刊誌がプラスになったのはコミックスが貢献したほか、定期誌も市場を維持するため強めの送品が行われた結果だという。
不定期誌の推定発行部数は5・1%減で、2年連続で前年割れ。
発行点数は増刊・別冊が69点減少の6106点。
ムックは70点多い7859点。
平均価格では月刊誌が6円高い536円、週刊誌は1円低い296円。
週刊誌の下落は定価の高い分冊百科の減少によるもの。
定期誌のみでは4円高。
創刊点数は前年より15点少ない201点。
推定発行部数は21・8%減。
休刊点数は過去最多だった前年より32点減少し、この5年間で最少となった。
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