【 返品5%削減して正味3.5%下げテスト販売 】
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- 日時: 2006/03/22 10:57
- 情報元: 日書連
主婦の友社は昨年4月から9月までの半年間、関西地区の書店6法人を対象に雑誌返品率低減テスト販売を実施したが、その結果がまとまり、3月8日、報道関係者への報告会が行われた。
主婦の友社の雑誌18誌を対象に、前年の仕入数を下回らず返品率を5%削減できれば、売上げの3・5%を支払うというものだったが、目標達成は2法人だった。
しかし、目標には達しなかったものの、4法人の返品率は主婦の友社の平均返品率を下回り、実売率は前年をクリアした。
テスト販売の実施は、業界全体の課題である雑誌返品率を低減し、そこから生れる出版社の利益を書店と分け合い、書店の営業利益率も改善しようと一石二鳥の狙い。
大阪屋取引でPOSレジを導入している書店5法人を対象に、『主婦の友』『Como』『Ray』『園芸ガイド』など、同社が指定する隔月刊以上の18誌について昨年4月〜9月発売分で実施した。
参加店には説明会を実施。
仕入数は前年以上とし、削減目標は一律5%でなく、返品率30%以下の書店は4%を、返品率40%超の書店は8%削減を設定した。
各雑誌は最新号発売から10日後に前号の送品数、販売実績を集計して書店別に届けた。
目標の返品率をクリアしたのは、前年より返品率を5・1%減少させたA書店(22店舗)と、7・3%減らしたB書店(3店舗)の2法人。
C書店(5店舗)は返品率を1%減少させたが、目標には届かなかった。
D書店(5店舗)は返品率が2%悪化したが、実売は1%弱上昇した。
E書店(9店舗)は残念ながら返品率の改善が見られなかった。
調査期間中の主婦の友社の返品率は2%程度アップしており、これを基準にするとD書店の返品率は標準的。
最も返品率が下がったB書店は平均より9・3%低い返品率を達成した上に、売上げ1割アップと目覚しい成果があがった。
B書店は社長自らが各店舗を巡回し、従業員に陳列方法を指示。
販売データを管理してこまめに定期改正を行った結果が好成績につながったという。
参加店からの意見として「仕入を調整し返品の減少を目指す作業は楽しかった」「この企画に取組むことで以前よりも返品に対しての意識が出た」「雑誌は重なって陳列されていないか、店内をまめに整理しているかなど社員教育、商品管理の向上につながった」といった好意的な意見のほか、「半年だからできたが、継続するとなると厳しい」という見方も。
大阪屋サイドからは、テスト販売の位置づけだったので実績データ取出しから集計作業まで手作業で行なわざるを得なかったとの指摘があり、POSレジ活用に課題を残した。
テスト販売の結果について主婦の友社村松社長は、「書籍は最近、責任販売制やデータ管理の取り組みが目立つが、雑誌の取り組みは不十分だったのではないか。
テスト販売の結果、書店の意識改革、売り方次第で返品も減るし、売上げが伸びるとわかったことが成果。
書店、取次、出版社の3者でプロジェクト・チームを作り、書店のマージン増と返品減少をテーマに研究してみてはどうか」とコメントした。 http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=4971 より引用
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