【 『ダ・ヴィンチ・コード』文庫版、「初版配本ゼロ」が多数 】
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- 日時: 2006/04/19 16:53
- 情報元: 日書連
- 【 『ダ・ヴィンチ・コード』文庫版、「初版配本ゼロ」が多数 】
角川書店が3月10日、『ダ・ヴィンチ・コード』文庫版(上・中・下)を初版各60万部、合計180万部発行し、書店223法人・4500店舗で責任販売制を20年ぶりに導入。
500万部を目指す――との新聞報道を受けて、東京都書店商業組合は3月20日、全組合員を対象に初版配本状況について緊急アンケート調査を実施。
この結果、配本ゼロの書店が多数にのぼったことが明らかになった。
4月4日午後2時から開かれた定例理事会で、経営・取引委員会の越石委員長は「3月15日、組合員から初回配本が少なく困っているので実態を調査してほしいと依頼があった。
3月20日に全組合員にアンケート調査票を送付した」と、調査実施に至った経緯を説明した。
アンケート調査は「角川書店版”ダ・ヴィンチ・コード”文庫の初版配本調査」のタイトルで上・中・下それぞれの初版配本部数を訊ねたもの。
この結果、配本ゼロの書店が多数にのぼることが明らかになった。
配本部数ゼロの書店からは「あきらめている」「角川のパターン配本はランク外のため注文のみ」「条件を平等に提示せず、特定の大型店にのみ配布しての半独占販売方式は平等の原理に反する」「お客様から多数の問い合わせがあり、版元に注文しても届かず、たいへん困っている」などの声があがっている。
同組合幹部は理事会当日の午前、書店会館に角川書店担当者を呼び、今回の経緯について話を聞いた。
理事会では責任販売制や情報開示のあり方など様々な問題について議論を深め、今後の方針をとりまとめていくことで意見集約した。
このほか理事会では、柴崎副理事長が「読者謝恩図書カード」について「3月29日に完売した」と報告、組合員の協力に感謝した。
同カードは3万枚制作し、昨年11月から販売を開始。
書店にできる読者サービスとして組合あげて取り組んできたもの。
支部一括購入等により年度内完売の目標を達成した。
組織強化委員会の鳥井委員長からは組合員異動状況について報告があった。
3月期の新規加入は、2月10日にオープンした時代小説専門新刊書店「時代屋」(千代田区)の1店のみ。
一方、脱退は18店にのぼった。
また、4月1日現在の東京組合加入書店数は前年より39店少ない760店になった。
年間の新規加入は7店、脱退は46店。
万引き問題では、小林委員長が、中3生6人が昨年11月に武蔵野市のマンガ専門書店でわずか2日の間にマンガ本209冊を万引きした、と読売新聞3月2日付夕刊の記事を引用して報告。
少年らは「マンガが読みたかった。
売って小遣いも欲しかった」と供述しているという。
また、警視庁から3月10日付で「万引き防止対策の推進について(依頼)」との文書が東京組合に届いたと報告した。
同文書は青少年健全育成の観点からも早急な対策が求められるとして、防犯設備の設置、防犯責任者の指定等の工夫で「万引きを寄せ付けない店舗」の普及に協力してほしいと求めている。
第30回通常総代会は5月18日午後2時から台東区の池之端文化センターで開く。
これまで総代会終了後に行なっていた永年勤続従業員表彰および組合・支部功労者表彰の式典は今回取り止める。
質疑応答と委員会報告の時間を増やし、徹底審議を行なうため。
組合・支部功労者表彰は総代会で行い、従業員表彰は賞状等を勤務先に送付する。
〔久我山駅舎内出店差止め申立て却下で、出版社員から激励の声〕 東京・杉並区の久我山書店と板橋書店が、京王書籍販売(啓文堂書店)による京王井の頭線久我山駅舎内への出店に対して出店差し止めの仮処分を東京地裁に申し立てたが、昨年12月6日、却下された。
中小企業者の生存権を守るため提訴に踏み切った2書店だが、仮処分申請却下後、板橋書店は廃業。
残る久我山書店は当初、売上げがダウンしたが、地域住民等の応援もあり営業を続けている。
また、山田社長の主張が朝日新聞、出版ニュース、文化通信で取り上げられ、同書店には出版業界関係者から励ましの声が多数寄せられている。
ある出版社の社員からは「読者を支えているのは地域の書店さん。
今回の問題は小売店間の商売ということだけではなく文化を守るという意味が大きく、マスコミはもっと大きく取り上げるべき」との手紙が届いたという。
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=5010 から引用
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