【 取引条件改善を業界に提言 】
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- 日時: 2006/06/02 13:29
- 情報元: 日書連
日書連は5月25日、台東区・池之端文化センターで第18回通常総会を開催した。
総会では、このほど報告書がまとまった「全国小売書店経営実態調査」をもとに、@マージン拡大、A返品入帳改善、B支払いサイト延長の3点を軸に、書店の経営環境改善に取組んでいく方針を承認した。
具体的取り組みについては、今後、書店業界環境改善委員会で検討していく。
理事、常任委員、各県組合オブザーバー134名が出席して開かれた日書連通常総会は、午前11時から戸和繁晴理事(大阪)の司会でスタート。
井門副会長の開会宣言に続いて、丸岡会長が冒頭のあいさつ(2面に要旨)を行った。
丸岡会長はこの1年間の日書連の取り組みを振り返り「最も力を入れたのは取引制度見直しに向けて実施した書店経営実態調査だった。
ここ数年の経営状態を聞いたところ、『悪くなった』『やや悪くなった』をあわせて85・6%。
悪くなった原因は『客数の減少』が最も多く、『大型店の出店』『立地環境の変化』が続いた」と、実態調査から浮かび上がった問題を紹介。
「回答をもとに今年度は取引慣行の弊害是正、取引条件改善の提言を行い、書店経営基盤の整備に全力を尽くしたい」と、今年の重点課題を明らかにした。
岩永藤房理事(佐賀)を議長に進められた議案審議では、第1号議案の平成17年度事業報告と第3号議案の平成18年度事業計画を各委員長が一括して報告・提案した。
このうち、書店経営実態調査報告書をまとめた高須委員長は「調査を行うにあたっての共通認識は、書店だけの業界エゴになってはいけないということ。
業界3者に著者、読者を含めた5者の満足を考えなければ発展はない。
書店の健全化を目指し、書店環境改善審議会で運動の具体化を図ってもらいたい」と、実態調査の狙いと報告書の今後の活用について述べた。
正副会長を中心に構成する書店環境改善審議会鈴木委員長は、審議会の下に実務機関としてワーキング委員会を設置したことを紹介。
「正味問題は取次、出版社の意見も聞きながら円卓会議で共通認識を得たい。
返品を減少させることで原資は出るのではないか。
返品入帳問題では、日販は今年3月末の決算で24日まで返品を入帳した。
さらに後ろ倒しを求めていく」と述べた。
再販問題の取り組みについては、岡嶋委員長が「一昨年来、公取委の攻勢を受けて再販研究委員会の動きが鈍かった」と指摘。
早急に委員会を開催し、美容院向け雑誌割引を行っているセイファート、日販の発表したポイントカード・システム「HONYA CLUB」を問題提起していくとした。
新聞業、教科書の特殊指定見直しに対する問題では、出席書店から「共同戦線を張るべきではないか」という声が上がった。
岡嶋委員長は「6月中にも(日書連として)特殊指定についての勉強会を持ちたい」と回答した。
質疑応答のあと、事業報告と事業計画案を拍手で承認。
平成17年度決算報告、平成18年度予算案は井門財務委員長から説明・提案があり、いずれも原案通り承認となった。
議事終了後、日書連共済会加入優秀地区として沖縄、長野、茨城、滋賀、香川、愛媛、宮城、和歌山、東京、島根、大分、岐阜、岩手、福島の14地区委員会を表彰。
丸岡会長から賞状と金一封が手渡された。
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=5118 から引用
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