【 上半期1.8%減に 】
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- 日時: 2006/08/13 17:55
- 情報元: 日書連
今年1〜6月の出版物販売額は書籍が前期比1・7%増の5082億円と健闘したものの、雑誌は月刊誌が3・9%減の4679億円、週刊誌は6・9%減の1331億円、雑誌合計で4・6%減の6010億円となり、上半期としては過去最大のマイナスを記録した。
以下、出版科学研究所の『出版月報』7月号から上半期の出版概況を紹介する。
〔書 籍〕 書籍は初版200万セットを刊行した『ハリー・ポッター』新刊や、文庫版『ダ・ヴィンチ・コード』などメガ・ヒット商品が貢献して、販売金額は前年を1・7%上回った。
しかし教養新書ブームで定価700〜800円の商品が売れたため、金額の伸びは部数の伸び(2・3%)を下回った。
教養新書は『国家の品格』202万部、『人は見た目が9割』70万部、『下流社会』80万部などベストセラーが続出して、長期間にわたって大部数が売れ続けている。
文庫では『ダ・ヴィンチ・コード』が契約販売制で初版各60万部を配本。
7月までに合計8百万部を販売したほか、TVドラマ化、映画化などのメディアミックスで『功名が辻』『白夜行』『博士の愛した数式』などが売れた。
ジャンルを超えた動きでは、団塊の世代を狙った中高年市場の活況が目立ち、脳トレーニングやドリル、大人向け塗り絵などの「脳活性化」ものがヒットした。
書籍の新刊点数は2・7%増の3万9329点だが、取次窓口扱いの新刊点数は2・1%減の2万8517点となり、減少に転じている。
〔雑 誌〕 月刊誌・週刊誌合計の推定発行金額は2・1%減で発行ベースで前年割れになっている。
これに加えて金額返品率は1・7%上昇。
月刊誌の返品率は書籍に近づきつつあり、1、3、4月期に書籍の返品率を上回ったほか、4月には返品率が40・7%を記録。
40%の大台を超えた。
「雑誌の不振は商材の不足によるもの」と出版科研では見ている。
昨年までなら女性誌や分冊百科などの新雑誌が数値を押し上げていたが、今年はそういう要素がなく、マイナス幅が拡大したという。
本誌の不振を補うために不定期誌は増刊・別冊の新刊点数が2986点と2・1%増加。
ムックも3798点、3・8%増と増加傾向にある。
上半期の創刊点数は77点となり前期比37点減。
発行部数で32・3%の激減。
休廃刊は前年並みの83点で、創刊点数を6点上回った。
週刊誌の発行状況は部数で5・0%減、金額で3・8%減。
部門別では「児童」「女性」「その他」の落ち込みが目立つ。
分冊百科は創刊点数が14点で、前年比6点少ない。
定期誌のみで見ると発行部数は17・6%減と2年連続の2桁減。
02年から04年に点数が急増した反動が出ている。
月刊誌・週刊誌合わせたコミック誌の発行部数は5・4%減。
月刊誌が7・1%減、週刊誌は4・0%減。
子ども向け月刊誌は7・5%減、大人向け月刊誌も6・9%減。
週刊、月刊ともにコミック誌の縮小が進んでいる。
http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=5255 より引用
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