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【 出版販売金額2.0%減少 】 日書連
日時: 2007/05/29 09:19:02
情報元: 日書連


 出版科学研究所が発行した『2007出版指標年報』によると、2006年の取次ルートを経由した出版物(書籍・雑誌)の推定販売金額は前年比2・0%減の2兆1525億円となり、2年連続で前年を下回った。

内訳は、書籍が1・4%増の9326億円、雑誌が4・4%減の1兆2200億円。

書籍は2年ぶりに前年を上回ったが、雑誌は99年の4・2%減を超える過去最大の落ち込みとなった。

「書籍堅調、雑誌不振」の構図が06年も継続した。

〔教養新書など貢献で1.4%増〕 書籍の推定販売金額は9326億円で、前年比1・4%増。

ここ数年、書籍はハリー・ポッターの新刊刊行に大きく左右されてきたが、06年はハリポタの販売金額を除いても前年比プラスだった。

最大のプラス要因はハリー・ポッター第6巻だが、教養新書、児童書、ケータイ小説、文庫本、中高年向けの本も好調。

ミリオンセラーは4点出た。

また、推定販売部数は7億5519万冊で2・1%増。

販売金額に比べて伸び率が高いのは、価格の安い単行本や教養新書、文庫が売れたため。

 金額返品率は38・2%と前年比0・5ポイント改善した。

ハリポタ第6巻をはじめ部数水準の高いベストセラー商品が多かったことが返品率を押し下げた。

 新刊点数は7万7722点で、前年比1・6%増。

流通ルート別の内訳は、取次仕入窓口経由の新刊が1・3%減の5万7423点。

ここ10年で前年割れしたのは99年の2・1%減と03年の0・5%減の2回のみ。

06年はロット配本の新刊点数増に歯止めがかかった。

注文扱いの新刊は10・5%大幅増の2万299点だった。

 新刊推定発行部数は1・0%増の4億177万冊だが、初版200万部で刊行されたハリポタを除くと、05年と変わらない水準。

新刊1点当たりの発行部数は5200冊で、こちらも05年と変わらなかった。

新刊平均価格は1174円と17円(1・4%)下落した。

 06年のミリオンセラーは『国家の品格』(222万部)、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(205万部)、『東京タワー』(200万部)、『病気にならない生き方』(125万部)の4点。

読みやすく安価なタイトルやメディアミックス作品が売れる傾向がさらに強まった。

 06年単行本ベスト10は以下の通り。

 1:国家の品格/藤原正彦/新潮社
 2:ハリー・ポッターと謎のプリンス(上・下)/J・K・ローリング/静山社
 3:東京タワー/リリー・フランキー/扶桑社
 4:えんぴつで奥の細道/大迫閑歩ほか/ポプラ社
 5:病気にならない生き方/新谷弘実/サンマーク出版
 6:人は見た目が9割/竹内一郎/新潮社
 7:新・人間革命(15〜16)/池田大作/聖教新聞社
 8:子育てハッピーアドバイス(1〜3)/明橋大二/1万年堂出版
 9:鏡の法則/野口嘉則/総合法令出版
 10:陰日向に咲く/劇団ひとり/幻冬舎〔創復刊が161点と大幅減少〕
  雑誌の推定販売金額は1兆2200億円、前年比4・4%減。

99年の4・2%減を超える過去最大のマイナス幅で、これで9年連続の減少になった。

内訳は、月刊誌が3・9%減の9523億円、週刊誌が6・5%減の2677億円。

雑誌不振は他メディアとの競合、とりわけインターネットの影響や年々拡大しているフリーペーパーとの競合、中小書店の廃業といった構造的要因に加え、コンビニエンスストアの販売も振るわなかった。

さらに、06年は創刊誌が少なかったため新規読者開拓が進まず、既存誌から読者が離れていくばかりとなった。

 推定販売部数は6・1%減の26億9904万冊となった。

内訳は、月刊誌が5・2%減の17億9535万冊、週刊誌が7・8%減の9億369万冊。

金額返品率は、月刊誌が1・4ポイント上昇して35・8%、週刊誌が2・1ポイント上昇して29・4%だった。

 創(復)刊点数は161点で、前年より40点(19・9%)の大幅減になった。

推定発行部数も21・3%減。

ここ数年、新雑誌が苦戦を強いられるケースが目立ち、創刊活動を抑制したものと見られる。

主な創刊誌は『KING』(講談社)、『GOETHE』(幻冬舎)、『edu』(小学館)、『プレジデントFamily』(プレジデント社)など。

パズル誌は16点と前年に引き続き大量創刊。

分冊百科は5点減少の23点。

男性誌は11点の創刊ラッシュだった。

 一方、休(廃)刊点数は27点(19・3%)増の167点。

休刊点数が創刊点数を上回ったのは、01年以来2回目となる。

パソコン誌は大量17点が休刊。

女性誌も12点が休刊した。

 ジャンル別動向を見ると、任天堂系ゲーム誌、20代向け女性誌、パズル誌、グッズ付き分冊百科の売れ行きが良好だった。

ムックは前年並み。

コミックスは好調だった前年の反動でマイナス成長だが、テレビ化・映画化でヒット作が続出する傾向はむしろ加速した。


メンテ

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