出版・書店 業界 NEWS BOOKSルーエ


出版書店 業界NEWS TOPへ > 記事閲覧           新文化 定期購読 受付  

【 再販、当面は存置 】 日書連
日時: 2007/12/30 17:35:07
情報元: 日書連
参照: http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=6210


 出版4団体で構成する出版流通改善協議会は12月7日午後、日本出版会館で再販関連会員説明会を開催した。

この会合に出席した公取委高橋取引企画課長は「再販当面存置の結論は変更を加えていない」とする考え方を明らかにした。

 説明会開催に当って書協流通委員会担当の菊池明郎副理事長(筑摩書房)は、「今年も公取委主催の著作物再販協議会が6月に行われた。

業界内には『再販弾力運用はやりすぎ』『弾力運用をすれば再販は守れる』という意見がある。

振り返ると、再販当面存置の結論が出る3年前の平成10年に公取委から是正6項目が示された。

これの1番目に再販弾力化があげられている。

是正6項目に沿った改善に取組むことは必要条件で、十分条件は国民がどう判断するかだ。

今後も再販運用、関連事項に取組むことで国民の支持と理解を得ていけば再販は存続できる。

そのため毎年の取組み、課題などを毎年レポートにまとめている」と、開催の趣旨を説明した。

 続いて、公取委取引部高橋省三取引企画課課長が次のようにあいさつした。

 「著作物の再販適用除外制度の見直し等について、これまでの経緯を振り返ると平成13年3月に当面存置の結論になった。

この結論自体、平成19年現在で変更を加えることはない。

現在も維持している。

公取委としては競争政策の観点から再販適用除外は廃止すべきという考えを持っている。

しかし国民各層から寄せられた意見によれば、廃止すべきだという意見もあるが、制度が廃止されると企画の多様性が失われる、新聞の戸別配達制度が衰退する、国民の知る権利を阻害する可能性がある。

文化・公共面で影響が生じる恐れがあると、制度廃止に反対する意見も多いということで、平成13年に国民的合意が形成されるに至っていない状況にあることから、当面制度を存置することが相当であるという結論を出した。

ただこれも平成13年に申し上げたことだが、適用除外制度のもとでも、再販契約の弾力的な運用の取組みを含めた流通取引慣行の改善を図って消費者利益の向上を図る取組みがされるべきだ。

この考えから毎年、著作物再販協議会を開催し、関係業界、有識者、消費者団体で業界における取組みを検証している。

本年も6月21日に協議会を開催して、7月23日付けで議事録を公表した。

議論の中で、書籍・雑誌業界から、是正6項目、弾力運用についてやや理解が不十分というか、誤解が生じているのではないかとした意見を頂戴した。

出版業界で是正6項目を良く知らない方が増えている。

是正6項目は再販弾力運用化だけではない。

再販適用除外の廃止の検討とは別の話として、業界の各種弊害を是正する。

ひいては消費者利益の確保を図る観点から示したもので、これをやれば再販を存置する対価関係にあるものではなく、再販適用除外があっても、是正への取組みが可能であるものとして6項目を示している。

再販適用除外の弾力化、弾力運用の取組みは高く評価するが、弾力運用だけに焦点が当って、あとの5つが忘れられては困る。

流通取引慣行の改善、消費者利益の確保という観点から業界の一層の取組み、努力をお願いする。

全体的な取組みをぜひお願いしたい」 このあと出版流通改善協議会大竹靖夫委員(昭和図書)が「2007再販制度弾力運用レポート10」について説明した。

 公取委是正6項目(平成10年) 
 1 時限再販・部分再販等再販制度の運用の弾力化、 2:各種の割引制度の導入等価格設定の多様化、3:再販制度の利用・態様についての発行者の自主性の確保、4:サービス券の提供等小売業者の消費者に対する販売促進手段の確保、5:通信販売、直販等流通ルートの多様化及びこれに対応した価格設定の多様化、6:円滑・合理的な流通を図るための取引関係の明確化・透明化その他取引慣行上の弊害の是正

メンテ

Page: 1 |