【 時限再販柔軟に適用も 】日書連
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- 日時: 2008/12/16 16:55:29
- 情報元: 日書連
- 出版4団体で組織する出版流通改善協議会は、12月4日午後2時から東京・神楽坂の日本出版会館で「再販関連」会員説明会を実施。
同協議会がまとめた「2008年出版再販・流通白書」の内容について報告を行った。
、菊池明郎書協副理事長は発行後一定期間が過ぎた本はバーゲンになどの柔軟な発想を提起した。
説明会の冒頭、流通改善協議会相賀昌宏委員長(書協・雑協副理事長、小学館)は、再販制度の運用をフォローアップする場として著作物再販協議会を設け8回の懇談を行っていることを前提に「経済が激変し、出版業界も大変なところにいる。
公正取引委員会が流通改善など是正6項目を示していることは、出版業界がこれまで当り前だと思い、これ以外やってはいけないと思っていたことに対し、もっと別な工夫があると問題を投げかけており、今回のレポートにも刷新の取組み、業界用語の見直しなど重要な示唆、アイデアが含まれている。
そこからビジネスのヒントをつかんでいただきたい。
守るべきものは守るが、一方で新しいものも生み出していかないといけない。
行き過ぎには批判をいただきたいが、新しいものにも挑戦していきたい」と述べた。
出版流通改善協議会大竹靖夫委員(昭和図書)から「2008年出版再販・流通白書」の概要説明があったあと、菊池明郎書協副理事長(筑摩書房)は「出版業界の今年の売上げはピークの96年に比べ25%ぐらい落ちるのではないか」という予測を示してから「そういう中で書店がまっ先にやられている。
小売業が衰退していく産業は衰える。
出版社は危機的状態にある書店支援が必要」という認識を示した。
菊池副理事長はさらに「返品が高止まりしているのは委託の問題。
買切りは所有権が移転しているから最終的処分権は小売にあり、売れ残ったものはバーゲンにという意見がある。
買切りだからマージンも多くなければいけない。
再販制度の中の時限再販を活用して、1年間は定価で売ってもらう。
それが過ぎればバーゲンをしてもよいとして、売れ残りを防止していく。
それが書店のマージン確保にもなり、苦しむ書店への具体的な提案にもなる。
(商品に)RFIDをつけるのはまだ高額本しかできないし、システムとしても整っていない。
その手前の段階で出来ることとして、(時限再販の方法を)考えてもよいのではないか。
あるいは最初から非再販でやる部分再販という選択肢もある。
書店と相談し、うまく利用して出版業界が蘇ることを来年の課題にしたい」と述べた。
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