【 販売額2兆円割れ寸前 】日書連
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- 日時: 2009/02/12 12:39:53
- 情報元: 日書連
- 2008年の出版物販売額は前年比3・2%減の2兆177億円となり、4年連続で前年を下回ったが、2兆円割れはかろうじて免れたことが出版科学研究所の調べで明らかになった。
同研究所発行の『出版月報1月号』から2008年出版物発行・販売概況を紹介する。
出版物販売金額の内訳は書籍が前年比1・6%減の8878億円、雑誌は月刊誌が4・5%減の8722億円、週刊誌も4・5%減の2577億円で、雑誌合計は4・5%減の1兆1299億円だった。
雑誌の販売金額は11年連続の前年割れ。
推定販売部数は書籍が0・6%減の7億5126万冊、雑誌は6・7%減の24億3872万冊。
書籍は教養新書・ケータイ小説などのブームが沈静化したものの、比較的廉価な単行本、文庫本が好調で販売部数は微減。
これまで『ハリー・ポッター』シリーズが出た年は前年を上回ってきたが、昨年はジンクス通りにはならなかった。
雑誌の販売部数は月刊誌が6・5%減の16億1141万冊。
週刊誌は7・0%減の8億2731万冊と、ともに大幅な減少。
月刊誌の落ち込みは過去最大となった。
しかし、原油高による用紙高騰や収支改善のため平均価格が2・4%アップしたため、販売金額は部数の落ち込みほどにはマイナスにならなかった。
〔書籍〕 書籍の販売金額は2年連続で前年割れになった。
販売金額8千億円台は1990年以来18年ぶりで、ピーク時の96年に比べると2千億円が消えた計算になるという。
ミリオンセラーは『ハリー・ポッターと死の秘宝』185万部、『夢をかなえるゾウ』155万部、『B型自分の説明書』160万部、『O型自分の説明書』143万部、『A型自分の説明書』131万部、『ホームレス中学生』105万部、『女性の品格』100万部の7点。
返品率も2年連続で悪化し、前年比0・7ポイント増の40・1%となった。
出版科研が1953年に統計を開始して以来、98年の41・0%に次ぐ2番目に高い返品率となった。
ジャンル別では文庫本の新刊点数は前年の4・9%増に続いて昨年も4・4%増。
返品率も急増して販売効率が悪化した。
新書も新刊点数6・0%増と大幅に増加している。
〔雑誌〕 雑誌販売金額の4・5%減は2006年の4・4%減を超え、過去最大の落ち幅を記録した。
月刊誌・週刊誌合計の発行部数は前年比4・7%減だが、平均価格が12円、2・2%アップしたため、発行金額は2・5%減にとどまった。
金額返品率は1・3ポイント上昇して36・5%と悪化した。
年間の創刊点数は前年より5点減の177点。
休刊点数は32点少ない186点。
『主婦の友』『Style』『ヤングサンデー』など有名雑誌の休刊が相次いだ1年だった。
売れ行きがよかったのは女性誌を中心としたグッズ付録の付いた号と分冊百科など、定期購読につながる雑誌は少なかった。
週刊誌はコミック誌、総合誌など主要ジャンルが低迷。
ムックは『NHK大河ドラマ篤姫』など単発のヒットはあったが、創刊につながる新企画は少ない。
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