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【 21年ぶりの2兆円割れ 】
日時: 2010/02/16 08:14:58
情報元: 日書連

2009年の出版物推定販売金額は前年比4・1%減の1兆9356億円になったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。

出版販売額が2兆円を割ったのは1988年以来、21年ぶり。

販売額の内訳は書籍が前年比4・4%減の8492億円。

雑誌は3・9%減の1兆864億円だった。

以下、『出版月報』1月号から2009年の出版概況を紹介する。

 書籍の販売額4・4%減は、1997年以降では98年の5・9%減、03年の4・6%減に続いて3番目に大きい落ち込みとなり、3年連続となる前年割れ。

雑誌の販売額3・9%減は12年連続の前年割れとなった。

雑誌販売額の内訳は月刊誌が3・2%減の8445億円、週刊誌は6・1%減の2419億円で、週刊誌の落ち込み幅が大きかった。

 書籍の推定販売部数は4・5%減の7億1781万冊で、ここ10年では最大の落ち込みとなった。

 ミリオンセラーは村上春樹『1Q84』(新潮社、1・2巻合計223万部)と『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房、114万部)の2点にとどまり、08年の7点、07年の4点、06年の4点、05年の5点と比べると物足りない結果となった。

 書籍の金額返品率は前年に比べて0・5ポイント悪化して40・6%。

98年の41・0%に次いで2番目に高い返品率になった。

 書籍の新刊点数は7万8555点で2・9%の増加と活発だが、新刊発行部数では2・8%減となり、1点当たり発行部数も前年の5200冊から4900冊へと部数を引き締める傾向が続いている。

 雑誌販売金額は価格の大幅な上昇で売り上げ減をカバーしたものの、販売部数は販売額の減少幅を上回る6・9%減で、14年連続の減少に。

落ち込み幅も過去最大となった。

雑誌販売部数の内訳は月刊誌が5・9%減、週刊誌は8・9%減。

週刊誌は青年コミック誌や総合週刊誌が大幅に落ち込んだことが影響した。

金額返品率は取次の送品抑制も影響し0・3ポイント減の36・2%。

 昨年の特徴として、販売低迷のため定価改定を行う雑誌が増加したことがあげられ、09年に定価改定を行った雑誌は250点以上にのぼったという。

また、付録を添付するための製作コスト上昇も定価アップの要因になったようだ。

 創復刊点数は135点で、前年より42点の減少。

89年以降では最小の創刊点数となった。

一方、雑誌の休廃刊は『マミイ』『Cawaii』『マリ・クレール』『月刊現代』『諸君』など有名雑誌の休刊が目立った。

休廃刊点数は前年より3点多い189点。

過去2番目に高い点数だった。

3年連続で休刊誌が創刊誌の点数を上回っている。

 雑誌の低迷について出版科研では「リーマンショック以後、雇用環境が悪化、可処分所得も減少したことが、出版物の販売に強く影響したとみられる」「雑誌広告の激減により出版社の収益が悪化、創刊活動が停滞し、休刊誌が相次いだ」と分析している。

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