【 講談社、当期損失57億円 】
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- 日時: 2010/03/08 18:41:14
- 情報元: 日書連
- 講談社は2月23日に定期株主総会を行い、総会終了後、報道関係者に平成21年度決算概況ならびに役員人事を報告した。
講談社の第71期決算(平成20年12月1日〜21年11月30日)は売上高が1245億2200万円で、前年比92・2%。
内訳は雑誌787億円(95・3%)、書籍276億円(94・1%)、広告109億円(74・1%)、その他70億9200万円(86・6%)。
利益面では雑誌広告出稿の減少に伴い製造原価が低下。
コミック単行本や文庫など原価率の低い製品売上げ構成が上がったことにより売上原価率は下がった。
編集費・宣伝費を中心に大幅な経費削減を進めたが営業利益は73億円の損失。
営業外で資産運用収益の減少、為替、有価証券等の評価損により費用が増加し税引前当期純利益は61億円の損失。
当期純利益は57億円の損失を計上した。
雑誌売上げを雑誌とコミックに分けると、雑誌が190億円(90・4%)、コミック597億円(97・0%)で、本誌の収益性が低下している。
書籍は文庫、新書は昨年を上回ったが、単行本が振るわず大きな減収となった。
特に年度前半の落ち込みが大きく、これを最後まで取り戻せなかったという。
決算概況を説明した金丸取締役は、今後の課題について「業績回復を最優先課題と位置付け、売上高の確保、売上率の改善を図る。
長期的な安定成長を追求するため活字を軸に質の高いコンテンツ創造と多様な収益源確保を実現する新たな時代の出版社像を模索していく。
雑誌は全雑誌の基本設計を見直し収益力の改善を図る。
営業管理部門は新倉庫稼働に伴う流通体制の整備、社屋隣接地開発による財務体質の強化など将来に向けた経営基盤の強化を進めていく」と述べた。
期末社員数は957名。
今期の売上目標は売上高1244億円、前年比100%。
税引前利益はまだ若干のマイナスが予想されるが、さらなる経費削減で今期で収支均衡を実現し、来期は確実に黒字を目指す。
今回改選の役員は9名。
柳田和哉氏をのぞく8名は留任し、柳田氏は顧問に就任。
役員の昇任、新任はない。
野間佐和子社長は引き続き業務を行う意思が非常に強く、社長交代は環境が整ってからになる。
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