流対協、10年度は電子書籍に注力
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- 日時: 2010/03/22 11:20:21
- 情報元: 新文化
- 流対協は3月5日、東京・小石川後楽園の涵徳亭で第32回定期総会を開催(写真)、2010年度も引き続きグーグルブック検索和解問題に対処しながら、同問題によってクローズアップされた書籍のデジタル化の課題についても出版社主導で進めていく方針を決定した。今年度も会長を続投する高須次郎氏は「グーグル問題によって新たにデジタル化の課題も出てきた。その道筋をつけたい」と所信表明した。
グーグル問題においては、すでに要請文をグーグル本社などに送付しているが、会員社の出版物を無断スキャニングにしたデジタルデータの削除と損害賠償を引き続き求めていく。
さらに、近い将来に予測されるアマゾン=キンドルやアップル=アイパッドなどの携帯端末の“上陸”による電子書籍市場の動静を見据え、出版社主導によるデジタル化の推進に努める。そのために、経営委員会・情報流通委員会のもとに、デジタル化研究会を組織。著作権管理事業者の日本出版著作権協会(JPCA)と協力し、電子書籍の流通や権利許諾などを研究していく。
そのほか、(1)ジャパンブックサーチの現構想への反対、(2)読者の人権を侵害しないようにICタグを流通内利用にとどめる、(3)ポイントカードやバーゲンブックの無原則な運用への反対などの再販問題への取組み、(4)差別取引撤廃など取引問題への取組み−などの課題を確認した。
また、質疑応答でもデジタル化に絡んで、「佛教大学から書籍のスキャニングの承諾を求められた」といった大学の私的デジタル化の要請についての報告があり、「むやみに許諾しないように」と確認し合った。
総会ではこのほか、グーグル問題を主軸に対処してきた2009年度の活動報告、同決算報告、2010年度の活動方針案と予算案を承認(出席者28、委任状33で成立)した。
役員改選では幹事が全員留任した。
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