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講談社、京極夏彦氏の新刊『死ねばいいのに』をiPad版で
日時: 2010/05/23 17:52:00
情報元: 新文化

5月15日に初版4万部で発売した同書の電子版を、6月上旬を目途にiPadやiPhone、パソコン、ケータイ向けで同時発売する。iPad、iPhoneにはアプリとして提供。紙版は1700円、iPadやiPhone、パソコン版は、発売から2週間のキャンペーン期間中は700円、その後は900円と設定。ケータイ版は1章100円で全6章からなる。いずれも冒頭1章などは無料で読めるサービスも設けている。今後はインターネットで上巻を全文無料公開している『親鸞』や今秋にも発売を予定している京極氏の新刊などを同様にリリースしていく予定。講談社としては新刊発売日と近い時期に電子書籍を発売するのは初めての試み。
5月20日に会見した野間省伸副社長は今回の取組みについて、「電子書籍の本格化は、紙かデジタルかという単純なものではなく、紙の本に加えて、デジタルというチャネルで新しい読者が生れていくという利便性の向上にほかならない。結果的に紙の本の需要を刺激して出版市場を活性化していく可能性を秘めている」と紙とデジタルとの相乗効果を強調した。
京極氏も「紙と電子は、補完しあっても、食い合うものではないと確信している。今回は実験ではあるが第一歩を踏み出した」とし、出版社の役割についても「出版社がいらなくなるということはない。出版社なくして書籍はできない。直接著者がデータ配信することと電子出版とは違うもの」と著者の立場から説明した。

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