開催中に新刊発表も続々/出版社ブース【東京国際ブックフェア】
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- 日時: 2010/07/26 10:56:29
- 情報元: 新文化
- 電子書籍関連のブースが目立つなか、出版社ブースでは“リアル”の書籍を2〜5割引きで販売し、読者と直接交流を図っていた。
筑摩書房は、稼働している全タイトルを展示・販売。絶版本も半額で販売するなど読者謝恩を全面に打ち出した。売上げは初日に100万円を突破し、4日間で約740万円と前年比で2割増となった。
昨年は共同ブースに出展していた明治書院と福音館書店は、今回は単独出展。明治書院は、教養書を子ども向けにアレンジした「親子で楽しむこども論語塾シリーズ」や知識欲が旺盛な団塊世代向けの「おとなの教科書・学びやぶっくシリーズ」などを販売。数年前から力を入れている一般書をアピールした。
フェア開催に合わせて創刊・新刊企画発表を行う出版社も多く、筑摩書房や書物復権8社の会、吉川弘文館・ネットアドバンスなどが説明会を開いた。玉川大学出版部は、高等教育の問題点などを網羅した、大学教職員・大学生向けの『リーディングス日本の高等教育』(全8巻・A5判・本体4500円・各2500部)の企画説明会を開催した。発売は9月下旬となる予定だ。
海外出展では同フェアのテーマ国・サウジアラビア王国が400平方メートルのブースを設置。児童書や医学書などの専門書など数百種類の書籍を展示したほか、メッカとメディナの模型やベドウィンの住居を再現したテントもつくり、テント内でくつろぐ来場者も多かった。同国大使館職員によると、日本はサウジアラビアで第2位の貿易相手国でアジアの中で最も信頼できる国としており、今回の出展は経済関係に加えて文化・教育面の関係強化を図っていくためとしている。
編集・制作プロダクションフェアは、出展社が15社(団体)と過去最大級となった。なかでも、ケイ・ライターズクラブは、100本におよぶ企画のタイトルを表紙案とともに公開するキャンペーンを行い、多くの関係者を集めた。同キャンペーンは企画案に興味があれば、名刺と引き換えに、ウェブ上で詳細を閲覧できるパスワードがもらえるというもの。
また、イラストレーターで構成する「挿絵画家の会」は、今回が初出展。きりえイラストなどを手がける岩田健太朗氏は「営業と告知のために出展したが、何十件という商談があり、ニーズがあることが分かった。イラストレーターをネットで探している編集者も多いが、顔を突き合わせて話ができるのがブックフェアの利点だ」と語った。
海外の日本人向けに出版活動を行う40社(80誌)が共同出展する海外日本語メディアブースでは、現地で発行するフリーペーパーを展示。近年は、日本のメディアによる海外旅行ガイドブックや女性誌の海外旅行特集の制作依頼が増えており、出展社の存在をアピールしていた。
(本紙2010/7/15号掲載記事から)
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