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【 給与格差でプロ育たず 】
日時: 2010/08/18 07:59:40
情報元: 日書連

首都圏栗田会は7月14日、東京・文京区の椿山荘で第2回総会を開き、会員書店、栗田、出版社など約250名が出席した。

大阪屋の南雲隆男社長、大阪屋友の会連合会の田村定良会長も来賓として出席した。

 総会であいさつした奥村弘志会長は、個店売上アップのため会員書店同士で店舗診断や意見交換、アドバイスを行う「書店バックアップシステム」について「相互扶助が実を結びつつある」と評価した。

 栗田の郷田照雄社長は「首都圏栗田会は想像以上に活発に活動している。

栗田の営業も変わっていかねば」、大阪屋友の会連合会の田村会長は「書店バックアップシステムで書店同士が店舗診断していることに驚いている。

素晴らしい試み」と祝辞を述べた。

 総会終了後に行われた記念講演では、人気作家の大沢在昌氏が出版業界の現状に苦言を呈し、将来に向けて提言を行った。

 大沢氏は、本が売れなくなった原因は「出版社と書店間の給与格差」「膨大な新刊点数」と指摘。

「大手出版社員の給料は書店員の3〜5倍。

トヨタと販売店の間でもここまでの格差はない。

給料が安くてはプロは育たない」と述べ、出版物が大量に流通する中で、商品を棚に並べるだけで疲弊している書店員と、何を買っていいかわからず困惑している読者の現状に危機感を示した。

そして「出版社は新刊点数を減らし、売りたい本、売れる本しか作らないこと。

本屋に並んでいる本は買う価値があるものという感覚を読者に持ってもらおう」と提言した。

 また、電子書籍については「紙の本が売れなくなることはないが、減るのは避けられない。

5年後に5対5になるのではないか」と予測。

町の本屋の未来については「電子書店とナショナルチェーンには出来ないことをやる。

地域の読者の心をつかみ、相対して本を薦めることができる書店はなくならない」とした。


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