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【 売上げ伸び率2・9%の減 『書店経営の実態』 】
日時: 2010/09/03 18:07:21
情報元: 日書連


〔損益状況〕 トーハンが発行した平成22年度版『書店経営の実態』によると、調査を行なった全国の142企業379店舗の平均売上高伸長率はマイナス2・9%。

前年を2・0ポイント上回ったものの、これで15年連続のマイナス成長となった。

収益面では、売上高対営業利益率がマイナス1・3%(前年マイナス0・5%)、売上高対経常利益率が0・2%(同0・2%)となった。

『書店経営の実態』では分析の基準として収益性に重点を置き、売上高対経常利益率がプラスの企業を「健全企業」、マイナスの企業を「欠損企業」に分けて比較対照している。

売上高伸長率を見ると、健全企業が前年比2・2ポイント増のマイナス0・7%、欠損企業が2・4ポイント増のマイナス6・4%でともにマイナス。

総平均では2・0ポイント増のマイナス2・9%となり、15年連続のマイナス成長となった。

 企業の営業力の指標といえる売上高対営業利益率は、総平均でマイナス1・3%となり、前年を0・8ポイント下回った。

健全企業は0・0%だったが、欠損企業はマイナス3・5%。

売上高対経常利益率は健全企業が1・9%、欠損企業がマイナス2・7%で、総平均では前年と変わらず0・2%となった。

 粗利益対経費率は、販売費及び一般管理費が粗利益に占める割合を見るもので、収益が厳しい低成長期には特に重要になる。

総平均では前年より4・5ポイント上昇して105・8%となり、11年連続で100%を上回った。

健全企業が100・0%に対し、欠損企業は116・2%。

労働分配率は50%以内が目標とされているが、健全企業が48・0%、欠損企業が57・1%。

総平均では0・1ポイント改善して51・7%となった。

 複合型書店の調査では、書籍・雑誌以外の売上構成比が20%以上の店舗を複合型書店、それ以外を本専業店に分類した。

複合型書店の売上高伸長率を部門別にみると、書籍マイナス0・3%、雑誌マイナス5・0%、レンタルマイナス7・0%、セルCDマイナス4・0%、TVゲームマイナス5・0%、文具2・2%で、総平均はマイナス5・3%。

本専業店は総平均マイナス4・3%だった。

売上高対粗利益率は本専業店21・8%に対し、AVレンタル複合店が26・0%、セルCD複合店が21・8%、TVゲーム複合店が19・8%、文具複合店が21・5%だった。

 売上高伸長率を地域別に見ると、前年は全地域でマイナスだったが、今回は東海が0・2%となったほかは軒並みマイナス。

特に九州・沖縄がマイナス6・0%と大きく落ち込んだ。

立地環境別ではビジネス街が0・7%だったほかはすべてマイナス。

商店街がマイナス6・0%、SC内がマイナス5・2%と不振だった。

売上規模別では1億〜1億5000万円未満が2・6%と堅調だったが、5000万〜1億円未満がマイナス4・7%と落ち込んだ。

売場規模別では軒並みマイナスとなり、201〜300坪がマイナス7・6%と大きく落ち込んだ。

〔販売効率〕 従事者1人当りの月間売上高は、健全企業が192万4千円、欠損企業が132万5千円で、総平均では168万6千円と前年比5万7千円減少した。

従事者1人当りの月間粗利益高を見ると、健全企業37万3千円に対し欠損企業25万1千円。

総平均では前年比1万9千円減の33万1千円だった。

 商品回転率は健全企業4・5回、欠損企業3・6回で、総平均は前年と変わらず4・2回。

売上高対粗利益率に商品回転率を掛けた商品投下資本粗利益率は、収益性と商品投資効率を総合的に判断する指標。

健全企業110・6%、欠損企業86・1%で、総平均では前年より0・6ポイント増加して101・6%となった。

〔財務状況〕 総資本に占める自己資本の割合を示す自己資本比率は、健全企業が2・1ポイント増の23・8%、欠損企業が3・5ポイント増の11・0%となり、総平均は18・8%で1・9ポイント増加した。

 事業に投下された資本総額の回転速度を表す総資本回転率は、書店経営では約2回転が目安。

総平均は0・1回増の1・8回で、健全企業が1・8回、欠損企業が1・7回だった。

 流動比率は1年以内に回収される資産である流動資産と、返済義務を負う流動負債のバランスを見ることで短期支払能力を表す指標で、130%以上の確保が望まれる。

健全企業は0・9ポイント減の129・8%、欠損企業は3・1ポイント増の121・8%で、総平均は1・2ポイント増の126・9%となった。

 固定資産への投資が適正かを判断する尺度となる固定比率は、100%以下が目標。

健全企業は17・9ポイント改善し165・5%。

欠損企業は104・7ポイント改善し327・3%となった。

総平均は20・4ポイント改善し202・1%となった。


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