【 筑摩書房、創立70周年記念の会開く 】
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- 日時: 2011/03/01 16:39:02
- 情報元: 日書連
- 筑摩書房は2月16日、東京・日比谷の東京會館で創立70周年記念の会を開催。
席上、菊池明郎社長は、熊沢敏之専務の社長昇格と自らの代表取締役会長就任が内定したと発表した。
記念の会には出版業界関係者341名が出席。
冒頭あいさつした菊池社長は同社が1978年7月12日に業績不振のため会社更生法の適用を申請したことに触れ、「なぜ筑摩書房は倒産したか、どうやって立ち直ったかについて、3月中旬に筑摩選書のエキストラバージョンとして刊行する社史『筑摩書房 それからの四十年 1970―2010』に赤裸々に書いてある。
出版不況の時代だからこそ反面教師として活用していただきたい。
著者は永江朗氏で、小説よりも面白い。
私が筑摩の入社試験に1回落ちたことまで書いてある」と笑いをとった後、「苦しい思いをして、本日こうした会を持てたことは出版人冥利に尽きる」と喜びを語った。
また、「99年から社長を11年間つとめたが、このほど熊沢専務に社長を引き継ぐことになった。
私は会長として若い役員の面倒を見てくれと言われている。
6月末の定時株主総会・取締役会で正式決定する」と発表し、壇上で熊沢専務を紹介した。
来賓の京都大学・伊東光晴名誉教授は「若い頃、総合雑誌『展望』に論文を載せてもらったことが私の原点。
会社更生法申請の時は布川角左衛門氏を管財人に推薦した。
著者と編集者の間に信頼関係を築いてきた良い社風を今後も続けてほしい」、小学館・相賀昌宏社長は「筑摩書房には良い本を出すというブランドイメージがあり羨ましい。
どこか古本屋の匂いもする。
懐かしいものに帰ろうとする精神が何とも言えない魅力。
新しい読者に向かっていく動きも面白い。
今後の広がりに期待している」、日販・古屋文明社長は「会社更生法を申請した後、新書、文庫を出して業容を拡大する一方、書店からスリップを回収してデータを分析し、いち早くPOSデータの単品分析によって新刊配本を行うなど、マーケティングで進んだ試みをしてきた。
業界のオピニオンリーダーとして尊敬している」、同社と取引のある印刷・製本・製紙会社35社から成る筑友会会長の精興社・青木宏至社長は「良心的な出版社として発展を」とあいさつ。
トーハン・山ア厚男会長が「筑摩書房は創業者・古田晁のDNAを踏まえ、ちくま文庫や文学の森など斬新なコンセプトに貫かれた出版物を作ってきた。
故・田中達治取締役の功績もあり販売と流通に対してもしっかりした考えを持っている。
若い人の知的好奇心を刺激するコンテンツを出し、業界隆盛へリーダーシップを」と述べ、乾杯した。
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