【 紙の本の文化守る 】
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- 日時: 2011/04/05 08:30:02
- 情報元: 日書連
- 愛知県書店商業組合は2月上旬、電子書籍が紙の本の購買につながるシステムを構築するよう求める要望書を出版社250社に送った。
電子書籍について谷口正明理事長に考えを聞いた。
――昨年から出版界は電子書籍の話題でもちきりだ。
書店としてどのように対応すべきか。
「紙の本は視覚、嗅覚、触覚で何物にも代えがたい品格を持っている。
『紙の本という文化』を守り、後世につなげることが、私たち書店の責務だ。
出版社は極力、出版物を電子書籍で全文提供することをやめていただきたい。
日書連のコミック試し読みシステム『ためほんくん』のように、一部分を読むことが紙の本の購買につながるシステムを作るべきだ」 ――電子書籍に否定的な宝島社の出版物の増売運動を行うということだが。
「業界紙で蓮見社長が『電子出版は書店に対する裏切り行為だ』と宣言しているのを読んで、よくぞ言ってくださったと感激した。
紙の本の文化を守ろうとする者にとって、これほどありがたいことはない。
1月の理事会で、組合として宝島社の増売運動を行うことを全会一致で決議した」 ――教科書のデジタル化の動きもある。
「子供たちに配られる教科書がデジタル化されれば日本の教育は終わりだろう。
そして本屋もなくなる。
デジタル化が追求する便利さはプロセスを省くことを本質としているから、プロセスそのものである教育とは原理として相容れない。
ポプラ社の坂井社長は『日本の子供たちが危ない』と熱心に行動している。
田原総一朗さんの『緊急提言!デジタル教科書は日本を滅ぼす』を出版するなど、熱い思いに敬意を表する。
これに応えるため『ポプラディア』の増売も呼びかけたい」 (聞き手=本紙・白石隆史)
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