【 今年上期は3・8%減 出版科学研究所】
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- 日時: 2011/09/05 18:11:58
- 情報元: 日書連
- 出版科学研究所は2011年上半期(1月〜6月)の書籍・雑誌分野別動向をまとめた。
出版物販売金額は前年同期比3・8%減の9242億円で、前年を1・0ポイント下回った。
内訳は、書籍が0・4%減の4424億円、雑誌が6・7%減の4818億円だった。
書籍の販売金額は前年同期比0・4%減。
上半期として5年連続の前年割れとなったが、大手取次の返品減少対策による送品抑制で、返品率は2・1ポイント減の35・6%と改善。
また、責任販売商品の導入拡大、出版社・取次・書店の3者による取引制度改革などが奏効し、小幅な減少にとどまった。
推定販売部数は3億6811万冊と0・9%の減少で、販売金額の伸びが販売部数の伸びを上回った。
これは価格上昇によるもので、出回り平均価格は1・3%増の1130円と値下がり傾向に歯止めがかかった。
新刊平均価格も0・4%減の1127円とほぼ横ばい。
文庫など廉価本の影響がわずかながら弱まったことが要因とみられる。
好調だったジャンルをみると、児童書でテーマ別図鑑が相次いでヒット。
教養新書が堅調だったほか、映画化作品の文庫が短期間に爆発的に売れるケースが多く見られた。
また東日本大震災・原発放射能関連書も売上げ増に貢献した。
ミリオンセラーは『謎解きはディナーのあとで』『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』『KAGEROU』の3点。
新刊点数は1・5%減の3万7978点で、このうち取次仕入窓口経由は4・0%減の2万8332点だった。
取次仕入窓口経由は昨年2月期以降連続して前年同月を下回り、文芸、新書、実用書、児童書など多くのジャンルで減少した。
雑誌の販売金額は4818億円と前年同期比6・7%減で、06年上半期の4・6%減を大きく下回り、過去最低を記録した。
前年割れは14年連続。
内訳は月刊誌が5・5%減の3781億円、週刊誌が11・1%減の1037億円。
雑誌の落ち込みについて出版科学研究所は、大震災の影響に加え、雑誌を定期的に購読する中高年読者の目減りが激しい一方、若い読者の参入が少ないことが要因と分析している。
平均価格は2・0%増の510円で、直近10年で2番目に高い上昇幅。
販売部数や広告収入減を価格に転嫁せざるを得ない状況が深刻化している。
上半期の創復刊点数は前年同期より12点増の80点と4年ぶりのプラスに。
しかし発行部数は12・6%減で、創刊される企画の部数規模は大幅に縮小した。
分冊百科は前年同期より2点少ない17点が創刊された。
一方、休廃刊点数は90点で、前年同期より19点減少した。
主な休刊誌は、『B‐st.(ビー・スタ)』『ザ・スニーカー』『ハナチュー』『この映画がすごい!』など。
不定期誌の新刊点数は増刊・別冊が2324点で58点減少。
ムックは4253点で275点減少した。
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