【 創元社に梓会出版文化賞 】
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- 日時: 2012/02/15 20:44:54
- 情報元: 日書連
- 第27回梓会出版文化賞(出版梓会主催)の贈呈式が1月17日、東京・新宿区の日本出版クラブ会館で開かれた。
今回は本賞に創元社、特別賞に亜紀書房と化学同人、新聞社学芸文化賞に荒蝦夷が選ばれた。
贈呈式で菊池明郎理事長は「東日本大震災の被災地では、震災の直後、本がよく売れ、本の力を改めて認識した。
今回の受賞者の中には震災の渦中で頑張ってきた出版社も入っており心底うれしく思う。
非常に厳しい時代だが、いい仕事は必ず評価されるということを肝に銘じて、今年も出版物を多くの人々に読んでもらうため手を携えて仕事に邁進したい」とあいさつした。
受賞各社に賞が贈られた後、選考委員の斎藤美奈子氏が選評を行い、各受賞社の代表があいさつした。
創元社の矢部敬一社長は「ユングの『赤の書』は長い時間かけて作った本。
『世界で一番美しい元素図鑑』は当社の図鑑の第1号として出し、大変好評だった。
出版業界は大変厳しいが、1冊1冊を丁寧に作って読者に喜んでもらえるものを提供していくことに尽きる」と受賞の喜びを述べた。
亜紀書房の立川勝得社長は「『災害ユートピア』は震災を経て広まっていく本になった。
現実にそこで苦労している方々にこの本が少しでも役に立てばと願っていた。
こういうときに出版社をやっていてよかった」と述べた。
化学同人の曽根良介社長は「『えれめんとランプ』という元素の周期表のカードゲームを作り、科学館や書店にコーナーを作って子供たちに体験してもらい好評を得ている。
理科好きの子供を増やすため努力したい」と述べた。
荒蝦夷の土方正志社長は「震災のあと、仙台から山形に避難して営業再開したが、廃業も考えた。
しかし、名古屋のちくさ正文館や神戸の海文堂書店が『激励の言葉より本を売れ』を掲げてブックフェアを行ってくれるなど、外部の方々が支えてくれた。
小さな出版社だが、印刷、製本、製紙、書店、著者、読者など関わっている人が多いからこそ差しのべられた手もまた多かった。
受賞はうれしいが、亡くなった知人やまだ仮設住宅にいる人もいて、複雑な心境。
今回の受賞は東北6県被災地で本にまつわる仕事をしているすべての人たちの代表としていただいたと思っている」と語った。
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