【 雑誌販売額 過去最大の下落 出版科学研究所の調べ 】
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- 日時: 2012/02/15 20:46:22
- 情報元: 日書連
- 2011年の書籍・雑誌販売金額は前年比3・8%減の1兆8042億円になったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。
販売金額の内訳は、書籍はヒット作の続出で同0・2%減のほぼ横ばいと健闘したものの、雑誌は同6・6%減と過去最大の下落で27年ぶりに1兆円を割り込み、明暗を分けた。
書籍の推定販売金額は前年比0・2%減の8198億円と5年連続の前年割れとなったが、過去4年間1・6〜4・4%減であったのに比べて下げ幅は縮小。
『謎解きはディナーのあとで』『心を整える。
』などミリオンセラーが10点(前年は5点)生まれ、ほぼ前年並みと健闘した。
推定販売部数は同0・3%減の7億13万冊となった。
ベストセラーが長期間にわたり爆発的に売れ続けた影響によるもので、売れる本と売れない本の二極化が進んでいる。
返品率は同1・4ポイント減の37・6%と改善が進んだ。
10年から続く取次の送品抑制策によるところが大きい。
新刊点数は7万5810点で同1・5%増。
内訳は取次仕入窓口経由が5万6877点で同1・6%減、注文扱いが1万8933点で同12・0%増。
取次仕入窓口経由は一昨年から減少に転じているが、売上の落ち込みを新刊点数を増やすことでカバーしてきた出版社が、取次の新刊部数の絞り込みによって採算ベースに合わない新刊刊行を手控える傾向が強まったため。
平均価格は、出回りはベストセラーが牽引して同0・7%増の1118円。
一方、新刊は同1・5%減の1109円。
読者の低価格志向を反映し、3年連続の下落となった。
雑誌の推定販売金額は前年比6・6%減の9844億円。
08年の4・5%減を上回る過去最大の落ち込みを記録し、27年ぶりに1兆円を割り込んだ。
内訳は、月刊誌が同6・2%減の7729億円、週刊誌が同7・8%減の2115億円。
週刊誌の不振は分冊百科の落ち込みが一因で、これを除くと約5%の減少。
推定販売部数は同8・4%減の19億8970万冊と過去最大の落ち込みで、20億冊の大台を割り込んだ。
月刊誌は同8・3%減の13億3962万冊、週刊誌は同8・6%減の6億5008万冊。
返品率は同0・6ポイント増の36・1%と、再び悪化した。
創復刊点数は同9点増の119点とやや回復したが、創刊誌部数は同11・4%の大幅減。
少部数でマニアックな雑誌の創刊が多かったため。
休廃刊点数は同58点減の158点、部数は同36・4%減。
休刊点数が増刊点数を上回る状況が続いている。
この結果、雑誌の総発行銘柄数は同77点減の3376点と、5年連続のマイナスになった。
雑誌の低迷について出版科学研究所は「人口減や情報源としての出版物の役割低下、読者年齢の上昇、新古書店や公共図書館の影響といった構造的な要因は変わらないが、そのひずみは雑誌により深刻に表れ始めた。
新企画が乏しく、休刊誌が増える一方、新規読者が少ないため、雑誌は加速度的に落ち込むことが懸念される」と分析している。
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