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【 出版物への軽減税率求める 】
日時: 2012/03/02 17:02:53
情報元: 日書連

民主党は2月6日、東京・千代田区の参議院会館で中小企業・団体を対象に「社会保障・税一体改革」説明会を開催した。

一体改革の内容を説明し、意見を聞くために実施したもの。

日書連からは面屋龍延副会長が出席した。

 野田内閣と民主党・国民新党は1月6日、政府・与党社会保障改革本部の会合を開き、「社会保障・税一体改革素案」を決定。

素案には「安心で希望と誇りが持てる社会の実現を目指して」というサブタイトルが付き、年金・医療・介護に加え子育て支援なども含めた全世代対応型の社会保障制度への改革を目指すとともに、その安定財源確保や財政健全化の達成のため、消費税について2014年4月に8%、15年10月に10%へと段階的に引き上げることを柱とする税制の抜本改革を打ち出している。

 冒頭あいさつで樽床伸二幹事長代行は「少子高齢化社会の中で年金・医療・介護・子育て支援などどうしても必要な制度を維持するには、どの分野よりも多くの税金投入が必要。

その財源としての税制、その柱としての消費税という順番で認識している。

このことを多くの国民の皆様にご理解いただくため、党としてキャンペーンを行う本部を立ち上げ、私が本部長に就任する予定だ。

党と政府がしっかり連携をとりながら説明していく」と話した。

 このあと長妻昭社保事務局長が社会保障改革、古本伸一郎税調事務局長が税制について説明した。

 質疑応答では日書連の面屋副会長が「消費税率3%の時代は出版販売金額は右肩上がりだったが、96年に2兆6000億円を記録したあと、97年に税率5%になってから毎年下落し続け、現在1兆8000億円まで落ち込んだ」と、出版業界の低迷と消費増税はリンクしていることを説明。

「今度税率が上がるとノックアウトパンチになり、呻き声すらあげられない状況になる。

出版物の軽減税率はすべての先進国が行い、活字と教育を保護している。

活字文化を守らなければ国の生産力は高まらない。

十把一絡に税率を上げるのではなく、各業界の事情を細かく聞いてほしい。

社会保障は大事だが、消費税を上げればすべて解決するわけではない。

10%になったら日本の出版はどうなるか考えてほしい」と述べ、消費増税反対と税率引き上げの際の出版物への軽減税率適用を訴えた。

 これに対し、民主党の古本税調事務局長は「党税調の議論の中で、『小説などは嗜好品だが、子供たちの学習参考書など好むと好まないに関わらず買わざるを得ない出版物についてはなんとかならないか』という議員もいた。

しかし、たとえ住宅でも消費税10%は予定通り適用し、商品における例外は設けないと決めている。

新聞業界からも同様の要請があったが、『新聞に軽減税率を適用して小説にはしないのか』という問題が間違いなく起きる。

藤井前党税調会長らがよく言っていたのは、自民党時代は複数税率にすることでそれを利権にしたということ。

つまり個別の物品税は業界のロビー活動の度合によって微妙に複数の税率があった。

文化という崇高な議論がそういうことに巻き込まれていいのか。

どの業界も色々な思いがあると思うが、一律10%までの当面の段階は堪えていただきたい。

10%以上の別世界に入った時には軽減税率の議論を改めてしなければならない。

しかし今回は出版業界にも堪えていただきたい」として、出版物に軽減税率を適用する考えはないと答えた。
メンテ

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