【 京極夏彦氏、被災文化財支援でファンド設立 】
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- 日時: 2012/04/16 19:49:17
- 情報元: 日書連
- 作家の京極夏彦氏が、電子書籍の配信収入の一部を東日本大震災の被災文化財レスキュー事業に寄付する「京極ファンド」を設立するとして、3月30日に東京・上野の東京芸術大学で記者会見を行った。
「文化財レスキュー事業」は、東日本大震災によって被害を受けた文化財を救援し修復・保全するため、文化庁が被災地域の教育委員会や関係団体等と連携して行っているもので、寄付金の受け入れ先と財政的支援を、文化財保護・芸術研究助成財団(宮田亮平理事長=東京芸術大学学長)が引き受けている。
「京極ファンド」は、京極氏が電子書籍「電子百鬼夜行シリーズ」(講談社)の配信収入の半分を寄付するというもの。
同シリーズはデビュー作の『姑獲鳥(うぶめ)の夏』に始まる人気シリーズで、3月16日から電子版の配信を開始している。
寄付金は、特に緊急を要する「古文書」を中心とした紙の文化財の修復・保存に使われる予定。
記者会見で京極氏は「継続的に協力していけるスタイルをとれないか出版社と協議を重ねた結果、今回の形に落ち着いた。
最初は微々たる金額かもしれないが、私も出版社も電子配信が売れるよう努力していくので、いずれは胸を張って『これだけ協力しています』と言える日が来ると思う」と述べ、財団の宮田理事長は「最先端の技術を駆使した電子書籍から得られた収益で紙の文化財を修復しようという、非常に意義深い提案だ」と話した。
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