【 今年上期は2・4%減 出版科学研究所 】
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- 日時: 2012/09/01 17:34:13
- 情報元: 日書連
- 出版科学研究所は2012年上半期(1月〜6月)の書籍・雑誌分野別動向をまとめた。
出版物販売金額は前年同期比2・4%減の9016億円で、前年の3・8%減より落ち込み幅は縮小したものの低落傾向が続いている。
内訳は、書籍が同2・0%減の4337億円、雑誌が同2・9%減の4678億円だった。
書籍の販売金額は前年同期比2・0%減で、上半期としては6年連続の前年割れとなった。
推定販売部数は3億6467万冊と同0・9%減。
販売金額の減少より販売部数の減少が小幅なのは、読者の廉価志向が強まっているためで、出回り平均価格は0・8%減の1121円と「本の低価格化」が進んでいる。
書籍は、ここ数年大手取次の返品減少対策による送品抑制が進められ、09年に通年で40・6%だった返品率は11年に37・6%と3・0ポイント改善。
12年上半期も36・0%と低水準を維持しているが、年度末調整の働いた3月期を除くと返品率は軒並み前年同月より上昇しており、効果の一巡感が強くなっている。
12年上半期は、大ヒットが続出した前年同期に比べ、牽引役の大型ベストセラーが少なかった。
ダイエットや中高年向けの健康本のブームが続いたほか、文庫本など廉価な本の需要が堅調だった。
一方、文芸単行本やビジネス書は売れ筋不足が深刻な状況となっている。
新刊点数は前年同期比2・6%増の3万8984点で、このうち取次仕入窓口経由は2・5%増の2万9037点、注文扱いが同3・1%増の9947点。
10年以降減少傾向にあった取次仕入窓口経由新刊が増加に転じてきている。
雑誌の販売金額は4678億円で前年同期比2・9%減。
内訳は月刊誌が同3・5%減の3650億円、週刊誌が同0・8%減の1028億円。
雑誌の現状について出版科学研究所は、当たるか分からない若い読者向けの企画よりも、30代以上の雑誌世代の読者をいかに手放さないかという既刊誌の立て直しが最優先という状況になっていると指摘している。
平均価格は月刊誌が前年同期比1・0%増の593円、週刊誌が同2・4%増の340円。
金額返品率は月刊誌が同0・6ポイント増の38・7%、週刊誌が同1・2ポイント増の32・2%だった。
創復刊点数は、昨年は4年ぶりに増加したが、今年上半期は前年同期より26点減の54点と再びマイナスに転じた。
分冊百科が同1点多い18点創刊されており、通常の定期誌は非常に少ない。
推定発行部数は同16・3%減、分冊百科を除くと同53・9%減で、創刊される企画の部数規模は大幅に縮小している。
一方、休廃刊点数は88点で同2点減。
しかし推定発行部数は同35・0%増と前年を大きく上回った。
主な休刊誌は、『小学三・四年生』『ラブベリー』『LoveCeleb』『月刊囲碁』など。
不定期誌の新刊点数は増刊・別冊が2404点で前年同期比80点増加。
07年以降減少傾向だったが、6年ぶりに前年を上回った。
ムックは4390点と同137点増加した。
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