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9年連続マイナスに/2013年出版物販売金額/出版科研調べ
日時: 2014/02/25 17:34:38
情報元: 日書連

2013年の書籍・雑誌の販売金額は前年比3・3%減(575億円減)の1兆6823億円で、9年連続のマイナスになったことが出版科学研究所の調べで明らかになった。市場規模はピークだった96年の2兆6564億円と比べて約63%まで縮小した。

〔3・3%減の1兆6823億円/雑誌、週刊誌の不振際立つ〕
書籍の推定販売金額は前年比2・0%減の7851億円と8000億円を割り込み、7年連続のマイナス成長となった。ミリオンセラーが新書本『聞く力』の1点のみだった前年に対し、13年は村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋、105万部)、近藤誠『医者に殺されない47の心得』(アスコム、105万部)、渡辺和子『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎、120万部)の3点出た。このほかにも本屋大賞を受賞した百田尚樹『海賊とよばれた男』(講談社)、映画化された『永遠の0』(講談社)、直木賞受賞の桜木紫乃『ホテルローヤル』(集英社)、大ヒットしたテレビドラマ「半沢直樹」の原作の池井戸潤『オレたちバブル入行組』『〜花のバブル組』(文藝春秋)や『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)などヒット作が相次いだが、全体では前年を上回ることができなかった。人気が一部のベストセラーに集中し、売れる本と売れない本の二極化が顕著に見られた。
推定販売部数は1・5%減の6億7738万冊と販売金額に比べて小幅な減少にとどまった。文庫本をはじめとする読者の廉価本志向が依然として強いことが要因。
返品率は37・3%と前年より0・5ポイント改善した。大手取次主導の返品減少対策として新刊部数の絞り込みなど送品抑制策が引き続き寄与した。
新刊点数は0・6%減の7万7910点。内訳は取次仕入窓口経由の新刊が2・5%減の5万6044点、注文扱い新刊は4・7%増の2万1866点。取次窓口経由が減少したのは、震災原発関連本や学習参考書の点数が減ったため。新刊の送品部数引き締めが続く中、出版社が採算のとれない本の刊行を見送るケースが出ていることも影響した。
平均価格は新刊が0・3%増の1120円で2年連続上昇。出回りは0・8%減の1103円。読者の低価格志向がうかがえる。
書籍市場は、話題の本がさらに売行きを伸ばし、メガヒットとなるケースが目立った。小説では文芸単行本にヒット作品が相次いだ。ノンフィクションでは、中高年の生き方本や健康本がヒット。コミュニケーション力アップをうたったビジネス書も好調だった。昨年ヒットを連発したダイエット本は不発だった。
雑誌の推定販売金額は前年比4・4%減の8972億円と16年連続のマイナス。内訳は、月刊誌が3・4%減の7124億円、週刊誌が8・1%減の1848億円。
推定販売部数は5・9%減の17億6368万冊。2年連続で6%近い大幅な落ち込みとなり、地滑り的需要減退の様相を呈してきた。内訳は、月刊誌が4・4%減の12億1396万冊、週刊誌が8・8%減の5億4972万冊となり、週刊誌の不振が際立っている。平均価格は1・4%増の524円。内訳は、月刊誌が1・2%増の600円、週刊誌が1・2%増の344円。推定発行部数は3・8%減の27億9516万冊。推定発行金額は2・5%減の1兆4658億円。返品率は1・2ポイント増の38・8%と大幅に上昇し、書籍(37・3%)を上回った。
創復刊点数は12点減の86点。過去最低レベルだった前年をさらに下回った。部数は27・2%減。女性誌の創刊が目立ったがほとんど30代以上向けで、若い読者対象の創刊意欲は乏しい。休刊点数は28点減の124点。この結果、雑誌銘柄数は65点減の3244点と、7年連続のマイナスになった。定期の新企画は少ないが、不定期のムックは約400点増の9500点と大幅に増やす傾向にある。
部門別動向を見ると、「女性」は10〜20代向けの特にカジュアル系が厳しい一方、30〜50代向けの年齢層が高い雑誌は好調な銘柄が多かった。「男性」は若者向けが依然として苦しいが、30代以上向けは部数を伸ばした。「趣味」はパズル誌がシニア向けで好調。スポーツ誌は大きな話題に乏しく漸減だった。専門誌は厳しいが、経済部門はアベノミクス効果で株関連が好調だった。
メンテ

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