和田竜氏『村上海賊の娘』/2014年・第11回本屋大賞
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- 日時: 2014/05/13 16:41:17
- 情報元: 新文化
- 全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ第11回「2014年本屋大賞」の発表会が4月8日、東京・港区の明治記念館で行われ、和田竜氏の『村上海賊の娘』(新潮社)が大賞に輝いた。
受賞作は、戦国時代に瀬戸内海を席巻した「海賊王」村上武吉の娘、景(きょう)の活躍を、織田氏と毛利氏の水軍が激突した木津川口の合戦を舞台に描いた歴史小説。発表会の席上、和田氏は「『村上海賊の娘』は資料を読むのに1年、シナリオを書くのに1年、『週刊新潮』での連載が2年、直しに半年かかった。資料に付箋を付けてはノートに書いてと受験生のように勉強し、同じことをやり過ぎてデジャブ現象が起こるくらいに小説を書いた。この苦労が実ったというか、本屋大賞はそれに対する過大なご褒美をいただいたと思っている」と受賞の喜びを語った。 今回の本屋大賞は、12年12月1日から13年11月30日に刊行された日本の小説が対象。1次投票には479書店605人が参加、1人3作品を選んで投票し、上位10作品をノミネート。2次投票では330書店386人が全ノミネート作品を読んだ上で、ベスト3に順位をつけて推薦理由とともに投票し、大賞作品を決定した。また翻訳小説部門は、『HHhHプラハ、1942年』(ローラン・ビネ著、高橋啓訳、東京創元社)が選ばれた。 本屋大賞の2位以下は次の通り。(2)『昨夜のカレー、明日のパン』木皿泉(河出書房新社)(3)『島はぼくらと』辻村深月(講談社)(4)『さようなら、オレンジ』岩城けい(筑摩書房)(5)『とっぴんぱらりの風太郎』万城目学(文藝春秋)(6)『教場』長岡弘樹(小学館)(7)『ランチのアッコちゃん』柚木麻子(双葉社)(8)『想像ラジオ』いとうせいこう(河出書房新社)(9)『聖なる怠け者の冒険』森見登美彦(朝日新聞出版)(10)『去年の冬、きみと別れ』中村文則(幻冬舎)
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