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大竹社長が再生計画発表/第48回大阪屋友の会連合大会
日時: 2014/07/05 14:28:27
情報元: 日書連

第48回大阪屋友の会連合大会が6月4日、島根県の玉造温泉「ホテル玉泉」で開催され、会員書店、出版社、大阪屋など総勢330名が出席した。
冒頭であいさつした同連合会の田村定良会長(田村書店)は「書店の状況は、4月の消費税増税以降一段と厳しくなっている。出版物だけでは書店経営が成り立たない状況だ。書店を続けていくためには、出版物を核として、店頭でお客さんに興味を持ってもらえる商材や各種サービスの提供を進めていかなければいけない。大手出版社だけでなく、楽天や大日本印刷という出版業界外の支援を得て、新生大阪屋がスタートする。新しい書店ビジネスはどうしたらいいのか、これから先も書店業を末永く続けていけるようお願いしたい」と述べた。
大阪屋の大竹深夫社長は、再生に向けた課題として(1)正しい財務状況の把握と財務改善、(2)単年度での収益改善、(3)新しい取次像の構築――の3つを掲げ、新しい取次像については、注文機能の強化やネットとの融合の推進、店頭活性化につながるMD、新商材、サービスの強化を図ることで、(1)関西圏の50%以上の書店に活用してもらえる取次(2)全国書店の客注インフラセンター機能を持つ取次(3)書店活性化の新商材、サービスを提供できる取次――を目指すとした。
前期実績については、総売上高774億円(前年比82・1%)、返品率は39・5%(同1・6ポイント増)と報告。大竹社長は「出版社には、何か新しいことをやってみたいという時には、まず大阪屋を使ってみてほしい。書店には、返品率を下げても売上の落ちない提案をしていくので、ぜひご協力をお願いする」と要請した。
続いて、偕成社の今村正樹社長、日書連の面屋龍延副会長(大阪府書店商業組合理事長)が祝辞。面屋副会長は「大阪組合の広報紙で大竹社長に対談を申し入れたところ快諾され、その中で取引書店を大事にしたいと真摯にお答えいただいた」と大阪屋の今後に期待を寄せた。また、出版物への消費税軽減税率適用について言及し、出版業界を挙げて力を合わせやっていきたいと語った。
この後、KADOKAWAの角川歴彦会長が「出版界の現状と未来、そして求められる書店像」と題し記念講演。角川会長は、「書店は人、モノ、金、情報が集まるプラットフォームであり、書店が出版業界のエコシステムの中核。プラットフォームが壊れればエコシステムが壊れる。出版社は、書店を残していく努力をしないといけない。その象徴的な出来事が大阪屋の再生だ」と指摘。出版業界は(1)書店のIT化、(2)オンライン・トゥ・オフライン、(3)(あらゆる販売・流通チャンネルを統合する)オムニチャンネル化――を進めるべきだと提起し、出席出版社に対しては、「ベストセラーを大阪屋に優先して送ってほしい」と呼びかけた。
メンテ

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