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今年上期は4・3%減/雑誌は前年に続き大幅減/出版販売額
日時: 2015/09/01 20:11:06
情報元: 日書連

出版科学研究所は2015年上半期(1〜6月)の書籍・雑誌分野別動向をまとめた。これによると出版物販売金額は前年同期比4・3%減の7913億円で、書籍は同2・3%減の4000億円と小幅な落ち込みにとどまったものの、雑誌は同6・2%減の3913億円と前年に続き大幅減となった。

書籍の販売金額は前年同期比2・3%減で、前年は4月の消費税増税以降に販売が急落した影響もあってマイナスは小幅だったが、販売の低落が続いた。スマートフォンなどに読書時間を奪われていることに加え、節約志向の高まりで個人消費が冷え込んだことが大きく影響しているとみられる。ジャンル別では、最も廉価で比較的堅調だった文庫本の低迷が目立っており、14年は6・2%減と過去最大の下落幅を記録したが、15年も上半期だけで5%超のマイナスとなった。
出回り平均価格は、前年同期比1・5%(17円)増の1139円と、文庫本の低迷により前年に引き続き上昇。金額返品率は、同0・3ポイント改善して35・3%になった。
15年上半期は、60万部に到達した『フランス人は10着しか服を持たない』(大和書房)や『一〇三歳になってわかったこと』(幻冬舎)など自己啓発書や生き方本が相変わらず好調だった。神戸連続児童殺傷事件の加害男性の手記『絶歌』(太田出版・25万部)は出版の是非が問われるなど物議を醸した。文芸書は、お笑い芸人・又吉直樹の『火花』(文藝春秋)が芥川賞にノミネートされ、爆発的な売行きを示した。
新刊点数は前年同期比0・1%(56点)増の3万8976点で、このうち取次仕入窓口経由が同1・2%(332点)減の2万7152点、注文扱いが同3・4%(388点)増の1万1824点で、取次仕入窓口経由は3年連続のマイナス。注文扱いは教科書準拠版問題集や楽譜類などが大量カウントされプラスになった。
雑誌の販売金額は3913億円で、前年同期比6・2%減と14年の下落幅に並び、2011年の6・7%減に次ぐ2番目の落ち込みとなった。内訳は月刊誌が同4・3%減の3177億円、週刊誌が同13・8%減の736億円。月刊誌は、定期雑誌が約3%減、ムックが約2%減、コミックスが約8%減となり、前年は好調だったコミックスの落ち込みが目立つ。
平均価格は前年同期比3・0%(16円)増の546円と大幅に上昇。月刊誌が同2・3%(14円)増の620円、週刊誌が同0・9%(3円)増の349円で、販売不振を補うため、今年に入り価格上昇の動きがさらに活発化した。金額返品率は同1・9ポイント増の42・5%。需給のバランスが取れず、返品率上昇が止まらない状況になっている。内訳は月刊誌が同1・7ポイント増の43・4%、週刊誌が同2・0ポイント増の38・2%。
発行銘柄数は、前年同期比3・1%減の3003点と9年連続の減少。創刊点数は同11点減の36点で、このうち分冊百科とパズル誌を除いた点数は13点だった。推定発行部数は同55・6%減で、昨年は女性ファッション誌が7点と創刊ラッシュだったが、今年は3点のみ。一方、休刊誌は同21点減の57点で、推定発行部数は同49・2%減。デジタル情報誌『週刊アスキー』などが休刊した。
不定期誌の新刊点数は増刊・別冊が1920点で前年同期比98点減少。ムックの新刊点数は同2点多い4663点だった。1号あたりを1点とカウントした付録添付誌数は、同13点増の6232点。付録有り無し版を同時発売するケースが徐々に広がっている。
なお、インプレス総合研究所調べによる2014年度(14年4月〜15年3月)の電子出版の市場規模は、前年比39・3%増の1411億円。うち電子書籍は同35・3%増の1266億円、電子雑誌が同88・3%増の145億円だった。年度でほぼ400億円増えているため、この半分が今期上乗せされたと仮定した場合、出版市場は2%弱の減少にとどまる。
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