売上伸び率マイナス3・37%/前年割れは20年連続に/トーハン書店経営の実態
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- 日時: 2015/11/10 17:24:43
- 情報元: 日書連
- トーハンは、全国182企業654店舗の経営資料を集計分析した平成27年度版『書店経営の実態』を発行した。これによると、平均売上高伸長率はマイナス3・37%(前年マイナス3・2%)で、20年連続のマイナス成長に。収益面では、売上高対営業利益率が0・47%(同マイナス0・3%)、売上高対経常利益率が1・70%(同0・6%)になった。
〔損益状況〕 『書店経営の実態』は、売上高対経常利益率が0・0%以上の企業を「健全企業」、0・0%未満の企業を「欠損企業」として分析している。売上高伸長率をみると、健全企業がマイナス2・35%(前年マイナス0・9%)、欠損企業がマイナス6・46%(同マイナス7・4%)で、総平均ではマイナス3・37%(同マイナス3・2%)と、20年連続の前年割れになった。 企業の営業力の指標といえる売上高対営業利益率は総平均で0・47%(前年マイナス0・3%)。健全企業は1・21%だったが、欠損企業はマイナス2・11%。売上高対経常利益率は健全企業が2・90%、欠損企業がマイナス2・50%で、総平均は1・70%(同0・6%)になった。 売上高対販売費・管理費率は総平均で22・51%(前年22・5%)。健全企業は21・89%、欠損企業は24・68%だった。また、売上高対人件費率は総平均で11・33%(同11・7%)。健全企業は11・15%、欠損企業は11・98%だった。 粗利益対経費率は、販売費及び一般管理費が粗利益に占める割合をみるもので、収益が厳しい低成長期には特に重要になる。総平均では97・95%(前年101・4%)で、健全企業が94・76%に対し欠損企業が109・35%だった。労働分配率は50%以下が目標とされるが、健全企業が48・27%、欠損企業が53・08%で、総平均では49・30%(同52・7%)と前年より悪化した。 売上高伸長率を売場規模別にみると、最も下げ幅が大きかったのが61〜100坪のマイナス5・2%。立地環境別では、住宅地がマイナス5・5%と振るわなかった。売上規模別では、5000万〜1億円未満がマイナス5・0%と不振が目立った。地域別では北海道・東北の下げが最も大きく、マイナス4・8%と落ち込んだ。 複合型書店の調査では、書籍・雑誌以外の売上構成比が20%以上の店舗を複合型書店、20%未満を本専業店に分類。複合型書店の売上高伸長率を部門別にみると、全ての部門がマイナスに。AVレンタルがマイナス5・4%、書籍・雑誌がマイナス4・0%、セルCDがマイナス3・2%、文具がマイナス1・4%で、総平均はマイナス3・8%。本専業店は総平均でマイナス4・2%だった。
〔販売効率〕 従事者1人当りの月間売上高は、健全企業が195万3千円、欠損企業が162万4千円で、総平均では187万円と前年比7万6千円増加した。従事者1人当りの月間粗利益高をみると、健全企業45万1千円に対し欠損企業36万7千円。総平均で同3万1千円増の43万円だった。 商品回転率は健全企業4・80回、欠損企業3・68回で、総平均は前年比0・01回減の4・53回。売上高対粗利益率に商品回転率を掛けた商品投下資本粗利益率は、収益性と商品投資効率を総合的に判断する指標だが、健全企業110・88%、欠損企業83・06%で、総平均では同3・13ポイント増加して104・10%になった。
〔財務状況〕 総資本に占める純資産(自己資本)の割合を示す自己資本比率は、健全企業が27・84%、欠損企業が13・35%で、総平均は前年比4・18ポイント増の24・22%だった。事業に投下された資本総額の回転速度を表す総資本回転率は、書店経営では約2回転が目安。総平均は同0・14回減の1・64回で、健全企業が1・67回、欠損企業が1・56回だった。 流動比率は、1年以内に回収される資産である流動資産と、返済義務を負う流動負債のバランスをみることで短期支払能力を表す指標で、130%以上の確保が望ましい。健全企業は前年比14・09ポイント減の137・10%、欠損企業は同60・37ポイント増の253・15%で、総平均は同5・22ポイント減の158・63%となった。 固定資産への投資が適正かを判断する尺度となる固定比率は、100%以下が目標。健全企業は前年比19・95ポイント増の162・86%、欠損企業は同104・98ポイント減の233・78%で、総平均は同24・87ポイント減の172・63%だった。
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