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第52回文藝賞に畠山、山下両氏/河出書房新社
日時: 2015/12/12 18:35:49
情報元: 日書連

河出書房新社が主催する第52回文藝賞は、畠山丑雄氏『地の底の記憶』、山下紘加氏『ドール』に決まり、10月29日に東京・千代田区の山の上ホテルで披露の会が行われた。
式典では、受賞者に賞状と正副賞が贈られた後、藤沢周、保坂和志、星野智幸、山田詠美の各選考委員が選評。受賞者あいさつで畠山氏は、下宿で執筆した当時を振り返って、「あの頃の私は、架空の土地の地の底へ続く深い坑道を手探りで進んでいるところだった。そして今私は再び新たな坑道の奥へと足を踏み入れ、進み続けている。その先に何があるか全くわからないが、きっとまだ誰も見たことのないような場所へ私を導いてくれると信じている」。山下氏は「この作品は最初から最後までとてものめりこんで書いていたので、書き終えてからもなかなか作品世界から抜け出すことができなかった。多くの方々に自分の作品を読んでいただけることがとてもうれしく、この先も自分の描きたい世界を追求し、魅力的な世界を書き続けていきたい」と語った。
河出書房新社の小野寺優社長は主催者あいさつで、「ネット書店のレビューやランキングという他人の評価を基に本を買う傾向が非常に増えた。私たちは、多数決の読書から、自分の目で選ぶ自分のための読書を取り戻さなければいけないと思っている。今日の受賞作は、全ての人にとっての5つ星かはわからないが、賛否両論、侃侃諤諤の意見交換ができるであろう際立った個性を持った作品を送り出せた。弊社は来年創業130周年を迎える。これからも、新しい才能を見つけ応援していく作業を大切にして進めていきたい」と述べた。
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