雑協・書協、「通信傍受法」の対象拡大に反対声明
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- 日時: 2016/05/31 21:22:06
- 情報元: 新文化
- 雑協の人権・言論特別委員会と書協の出版の自由と責任に関する委員会は、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」(通信傍受法)の対象犯罪を拡大し、捜査手続きを緩和する刑事訴訟法等改正案が5月24日に衆議院本会議で可決されたことを受け、反対声明文を発表した。これまでは薬物、組織的殺人、密航、銃器の4つの組織犯罪に限定されていたが、窃盗、強盗、傷害などの犯罪にまで拡大することになる。
通信事業者の施設内での傍受や立会人の義務化など、制度的な安全弁も改正で取り払われることになる。拡大される対象犯罪の中には児童ポルノ禁止法の「提供」「製造」罪も含まれるが、両協会はこれまでにも「児童ポルノ」の定義があいまいで、出版の現場を規制し表現の自由を脅かす可能性があると指摘してきた。 声明では「捜査手続きを緩和した通信傍受法により、編集現場から印刷、製本、取次、書店まで、出版に関わるすべての通信が傍受されるおそれがある」とし、「同法が恣意的に運用されないよう監視していくとともに、憲法が保障する基本的人権を脅かしかねない通信傍受法の対象犯罪拡大に強く反対する」と訴えている。
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