売上伸び率マイナス3・36%/トーハン『書店経営の実態』
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- 日時: 2016/11/09 18:14:07
- 情報元: 日書連
- トーハンは、全国134企業572店舗の経営資料を集計分析した平成28年度版『書店経営の実態』を発行した。これによると、平均売上高伸長率はマイナス3・36%(前年マイナス3・37%)で、21年連続のマイナス成長となった。
『書店経営の実態』は、売上高対経常利益率が0・0%以上の企業を「健全企業」、0・0%未満の企業を「欠損企業」として分析している。売上高伸長率をみると、健全企業がマイナス2・12%(前年マイナス2・35%)、欠損企業がマイナス6・11%(同マイナス6・46%)で、総平均でマイナス3・36%(同マイナス3・37%)と、21年連続の前年割れになった。 売上高対粗利益率は書店業界では20〜23%が平均的と言われる。健全企業は23・57%、欠損企業は22・80%で総平均では23・37%(同22・98%)となった。 企業の営業力の指標といえる売上高対営業利益率は総平均で0・30%(同0・47%)。健全企業は1・18%だったが、欠損企業はマイナス2・19%。売上高対経常利益率は健全企業が1・91%、欠損企業がマイナス1・61%で、総平均は1・00%(同1・70%)になった。 売上高対販売費・管理費率は総平均で23・07%(同22・51%)。健全企業は22・39%、欠損企業は24・99%だった。また、売上高対人件費率は総平均で11・35%(同11・33%)。健全企業は10・81%、欠損企業は12・92%だった。 粗利益対経費率は、販売費及び一般管理費が粗利益に占める割合をみるもので、収益が厳しい低成長期には特に重要になる。総平均では98・72%(同97・95%)で、健全企業が94・99%に対し欠損企業が109・61%だった。労働分配率は50%以下が目標とされるが、健全企業が45・86%、欠損企業が56・67%で、総平均では48・57%(同49・30%)になった。 従事者1人当りの月間売上高は、健全企業が192万5千円、欠損企業が153万8千円で、総平均では181万1千円と前年比5万9千円減少した。従事者1人当りの月間粗利益高をみると、健全企業45万4千円に対し欠損企業35万1千円。総平均で同7千円減の42万3千円だった。 商品回転率は健全企業4・95回、欠損企業4・02回で、総平均は同0・02回増の4・55回。売上高対粗利益率に商品回転率を掛けた商品投下資本粗利益率は、収益性と商品投資効率を総合的に判断する指標だが、健全企業116・67%、欠損企業91・66%で、総平均では同2・23ポイント増加して106・33%になった。 総資本に占める純資産(自己資本)の割合を示す自己資本比率は、健全企業が26・06%、欠損企業が9・11%で、総平均は同1・97ポイント減の22・25%だった。事業に投下された資本総額の回転速度を示す総資本回転率は、書店経営では約2回転が目安。総平均は同0・12回増の1・76回で、健全企業が1・82回、欠損企業が1・63回だった。 流動比率は、1年以内に回収される資産である流動資産と、返済義務を負う流動負債のバランスをみることで短期支払い能力を表す指標で、130%以上の確保が望ましい。健全企業は171・49%、欠損企業は148・61%で、総平均は同7・39ポイント増の166・02%となった。 固定資産への投資が適正かを判断する尺度となる固定比率は、100%以下が目標。健全企業は150・77%、欠損企業は311・20%で、総平均は同8・63ポイント減の164・00%だった。 店舗単位での売上伸長率は、前年のマイナス4・1%に対しマイナス3・3%と、前年に比べ小幅なマイナスにとどまった。 売上高伸長率を売場規模別にみると、最も下げ幅が大きかったのが60〜100坪未満のマイナス4・5%。立地環境別では、商店街がマイナス5・6%と振るわなかった。売上規模別では、5千万円未満がマイナス4・8%と不振が目立った。地域別では北海道・東北の下げが最も大きく、マイナス3・9%と落ち込んだ。 複合型書店の調査では、書籍・雑誌以外の売上構成が20%以上の店舗を複合型書店、20%未満を本専業店に分類。複合型書店の売上高伸長率を部門別にみると、セルCD・DVD複合店がマイナス3・6%、レンタル複合店がマイナス2・2%、文具・雑貨複合店がマイナス1・6%、その他の商材の複合店がマイナス1・6%で、本専業店はマイナス3・4%だった。 平成28年度版『書店経営の実態』(B5判46ページ、頒価税込1512円)に関する問い合わせは、トーハン・コンサルティングまで。TEL03(3266)9623
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