辻村深月氏『かがみの孤城』/2018年・第15回本屋大賞
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- 日時: 2018/05/02 18:49:30
- 情報元: 日書連
- 全国の書店員が一番売りたい本を選ぶ第15回「2018本屋大賞」の発表会が4月10日に東京・港区の明治記念館で行われ、辻村深月氏の『かがみの孤城』(ポプラ社)が大賞に輝いた。
受賞作は、不登校などの悩みを抱えた中学生7人が鏡の中にある不思議な城に誘われ、さまざまな経験をして成長するファンタジー小説。発表会で辻村氏は「身動きが取れずうずくまっている誰かに対して、外に出ていくのが怖いならこちらから迎えに行くという気持ちで、鏡を入口に冒険に出かけてもらうことにした。本屋大賞は、その誰かを一緒に迎えに行きましょうと、全国の書店員さんが私の伸ばした手を温かく握り返してくれた結果だと思う」と語った。 今回の本屋大賞は、16年12月1日から17年11月30日に刊行された日本の小説が対象。1次投票には504書店665人が参加、1人3作品を選んで投票し、上位10作品をノミネート。2次投票では311書店374人が全ノミネート作品を読んだ上で、全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票し大賞作品を決定した。 翻訳小説部門は、『カラヴァル深紅色の少女』(ステファニー・ガーバー著、西本かおる訳、キノブックス)が選ばれた。既刊本の掘り起こしを目的に、16年11月30日までに刊行された作品を対象に投票する「発掘部門」の中から、本屋大賞実行委員会が選出した「超発掘本」として『異人たちの館』(折原一著、文春文庫)が紹介された。 また、昨年度から本屋大賞を協賛する「yahoo!ニュース」が、本屋大賞と連携してノンフィクション作品を対象とした部門賞を新設すると発表した。文芸作品だけでなくノンフィクション作品の市場の活性化を図ろうというもので、18年度内に受賞作品を発表する予定。 本屋大賞の2位以下は次の通り。(2)『盤上の向日葵』柚月裕子(中央公論新社(3)屍人荘の殺人』今村昌弘(東京創元社)(4)『たゆたえども沈まず』原田マハ(幻冬舎)(5)『AX アックス』伊坂幸太郎(KADOKAWA)(6)『騙し絵の牙』塩田武士(KADOKAWA)(7)『星の子』今村夏子(朝日新聞出版)(8)『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人(実業之日本社)(9)『百貨の魔法』村山早紀(ポプラ社)(10)『キラキラ共和国』小川糸(幻冬舎)
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