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リアル店舗低迷、6・2%減収/書籍・CD・ビデオ・楽器卸/日経MJ17年度日本の卸売業調査
日時: 2018/08/18 10:51:49
情報元: 日書連

日経MJ(8月1日付)は「第47回日本の卸売業調査」の結果を発表。2017年度の全14業種の売上高は前年度比2・0%増、営業利益は9・6%増となったが、食品卸など半数の業種は減益にとどまった。
調査は927社を対象に6月上旬~7月中旬に実施し、570社から回答を得た。このうち前年度と比較可能な企業は503社。
17年度は全体で2期ぶりの増収増益となったが、1年前と比べた景況感を聞いたところ「悪化」と答えた企業は2割超と「改善」を上回り、本格的な景気回復には依然として懐疑的な企業が多い。悪化の理由のトップは「受注量の減少」(63・4%)。「物流コストの転嫁が進んでいない」(37・6%)も目立った。物流コストの上昇や卸を飛ばした製造と小売の直結などが、卸の経営環境に暗い影を落としているようだ。
業種別では、「その他」を除く13業種のうち8業種で売上高が前年を上回った。営業利益は7業種がプラスとなった。
書籍・CD・ビデオ・楽器卸の売上高は前年度比6・2%減と落ち込んだ。営業利益は同19・3%減、経常利益は同20・1%減、税引後利益は同35・8%減。「スマートフォンの普及で娯楽の幅が広がり、店舗で書籍やソフトウェアを買う消費者が減少傾向にある。特に漫画は著作者に無断で作品を無料公開する海賊版サイトが登場したことでも打撃を受けた」と同紙は分析している。
売上高1位の日販は7・3%減と5期連続の減収となった。相次ぐ休廃刊やスマホ向け読み放題サービスの台頭で雑誌が大きく落ち込み、書籍の慢性的な赤字を補えなくなった。漫画の送品冊数が減り、コンビニ向けの配送効率も悪化した。しかし、グループ書店の本部経費圧縮や文具・雑貨売場の拡大などで7・2%の営業増益を確保した。
2位のトーハンは6・8%減と4期連続の減収だった。運賃上昇による配送費の増加が響き、営業利益は29・4%減となった。
3位の大阪屋栗田は3・9%減収だった。5月に楽天が子会社化を発表し、ネット書店と連携し販売予測の精度を高め、収益改善を目指す。
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