春陽堂書店、種田山頭火賞を創設/舞踏家で俳優の麿赤兒氏が受賞
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- 日時: 2018/10/12 21:07:56
- 情報元: 日書連
- 創業140周年を迎える春陽堂書店は、信念を貫いた生き方で多くの人々に感動を与えた文化人・表現者を顕彰する「種田山頭火賞」を創設。舞踏家で俳優の麿赤兒(まろ・あかじ)氏を第1回受賞者に決定し、9月13日、東京・千代田区の山の上ホテルで授賞式を開催した。
春陽堂書店は明治11年創業。明治22年に創刊した雑誌「新小説」から尾崎紅葉『金色夜叉』、泉鏡花『高野聖』、田山花袋『蒲団』、夏目漱石『草枕』などの名作を生み出し、戦後は江戸川乱歩、岡本綺堂、山手樹一郎を中心とした大衆小説を数多く刊行。昭和47年に刊行した『定本山頭火全集』は、当時は無名だった山頭火の存在を世に知らしめ、その後のブームの火付け役になった。 閉塞感のある今の時代こそ、自然に親しみ、酒を愛し、理想を求めて流転の旅に生き、58年の生涯で多数の句を詠んだ漂泊の俳人・山頭火の生き方が脚光を浴びると考え、春陽堂書店が文芸出版社として再興するための第一歩として山頭火の名を冠した賞を創設したという。 選考委員を務めた作家で国文学者の林望氏は「世俗の価値観とは無縁の自由自在、融通無碍な生き方をして、志のままに実績を積み重ねた方を顕彰しようと考えた。麿さんは山頭火賞の出発に最もふさわしい」と受賞理由を説明した。 麿氏は「真っ直ぐ歩くのが嫌で、曲がり曲がり、75年生きてきたが、曲がり角でこの賞に出くわした。身に余るんだか、十字架を背負ったんだか。厳しい罰を与えないとそのまま消えいってしまうだろうと、そういう励ましだと思って、ありがたく十字架を背負って頑張っていく」と話した。
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