野間文芸賞に橋本治氏『草薙の剣』/野間文化財団・野間文芸3賞贈呈式
|
- 日時: 2019/02/05 21:47:09
- 情報元: 日書連
野間文化財団が主催する野間文芸賞3賞の贈呈式が、12月17日に東京・千代田区の帝国ホテルで開催された。 今回受賞したのは、第71回野間文芸賞に橋本治氏『草薙の剣』(新潮社)、第40回野間文芸新人賞に金子薫氏『双子は驢馬に跨がって』(河出書房新社)、乗代雄介氏『本物の読書家』(講談社)、第56回野間児童文芸賞は安東みきえ氏『満月の娘たち』(講談社)。 贈呈式では、野間文化財団の吉川英明理事長が「次回から野間出版文化賞を新設し4賞となる。賞がますます世間の注目を浴びるようになればと思っている」とあいさつ。続いて講談社の野間省伸社長が各受賞者に賞を授与した。 野間文芸賞選考委員の町田康氏は「受賞作はこれまでの小説と違う形で時代と個人をとらえた。英雄的ではない普通の人が時代を動かしお互いに影響しあっているということに哀切を感じ、文学的な感動を覚えた」と評した。 野間文芸賞受賞の橋本氏は体調不良のため欠席し、担当編集者がメッセージを代読。橋本氏はこの中で、「まだ学生だった20代前半から、まっさらな原稿用紙を買うと幸福になる人間だった。原稿用紙が文字で埋められ、その上に両肘を載せて『ああ、終わった』とつぶやく。その一言が幸福をもたらしてくれる。これからも目の前に原稿用紙が見えたら、成り行きでその上を一歩一歩歩いていこうと思う」と述べた。
|
|