神護かずみ氏『ノワールをまとう女』/江戸川乱歩賞
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- 日時: 2019/11/18 17:59:33
- 情報元: 日書連
- 第65回江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催、講談社・フジテレビ後援)の贈呈式が、9月26日に東京・千代田区の帝国ホテルで開催された。
受賞は神護かずみ氏の『ノワールをまとう女』(「NOIRを纏う彼女」を改題)。神護氏は58歳での受賞で、同賞歴代最年長。日本推理作家協会の京極夏彦代表理事は「この業種は年齢は関係ない。過去の経験を活かし、変革期を迎えて久しい出版業界に新風を吹き込んでほしい」とあいさつした。 選考委員を代表して選考経過を報告した貫井徳郎氏は「ヘイトや炎上を裏工作で鎮静化させるという主人公の設定が面白く、着眼点が良い。プロットも堂に入っていて、既に出版経験があるということを後で聞いてなるほどと思った。神護さんはこれまでの溜めがあると思うので、年齢を感じさせない旺盛な創作意欲で執筆していただけると思う」と述べた。 神護氏は、「私が生まれて初めて小説として意識して読んだのが、乱歩先生の少年探偵団シリーズ。50年後に先生の名前を冠した賞を頂戴するとは思ってもいなかった。1996年にデビューしてからようやくスタート台に立てた。今まで芽が出なかった分、ささくれ立った想いや憤怒や恨みなど、一杯蓄えがあるので、今後作品を作っていく上で力になってくれると信じている」と話した。
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