中間連結決算で19年ぶり赤字/物流系・書店系子会社の経営厳しく/トーハン
|
- 日時: 2019/12/30 19:58:14
- 情報元: 日書連
- トーハンは11月20日、第73期上半期(2019年4月1日~同9月30日)の決算概況を発表した。当期より連結子会社を16社から28社に、持分適用関連会社を5社から12社に拡大しており、物流系子会社と書店系子会社の厳しい経営状況を反映して、連結売上高は1896億3000万円(前年比1・2%減)、親会社株主に帰属する中間純損失は2億500万円(前年は8600万円の利益)と減収減益になった。中間決算の赤字は2000年度以来、19年ぶり。
トーハン単体の売上高は前年比2・9%減の1779億8400万円で、金額では前年を下回ったものの、売上計画を上回った。内訳は、書籍が同0・3%減の737億1200万円、雑誌が同3・8%減の621億2600万円、コミックが同4・9%増の217億4600万円、MM(マルチメディア)商品が同15・2%減の203億9800万円。 返品率は、効率販売の推進により同0・9ポイント減の42・4%と改善した。書籍は同1・7ポイント減の43・5%、雑誌は同0・9ポイント減の49・0%、コミックは同3・1ポイント減の29・3%、MM商品は同4・4ポイント増の20・8%。 売上総利益は同2・3%減の223億1100万円。MM商品の売上減少等で計画に届かなかったが、書籍・雑誌・コミックの効率販売の進展により返品率が改善できたことで、販売費及び一般管理費は計画を2億5100万円下回り、粗利益の減少を補った。しかし、販管費は同0・8%増と増加基調にあり、運賃等の上昇が大きく影響している。 この結果、営業利益は同32・8%減の14億200万円、経常利益は同71・1%減の2億8100万円。特別利益には不動産の売却益等、特別損失には本社建築計画に伴う別館等の取り壊しによる固定資産除去損を計上し、中間純利益は同91・5%減の5800万円となった。 決算説明を行った小野晴輝専務は、「減収減益の厳しい決算だが、売上高・利益とも中期経営計画『REBORN』に沿った結果となった。運賃上昇など物流費用増加の影響については、想定通りではあるがますます増大しており、取次経営を圧迫している。その中で上半期は効率販売で一定の成果を出し、物流費用の増大をある程度吸収することができた」と総括した。 トーハンは『REBORN』を進めるにあたり、連結範囲を拡大して収益力の強化、将来に向けたシナジー強化を図っていく。連結売上高は1896億3000万円、前年比1・2%の微減となったが、物流系子会社4社のうち3社、書店系子会社13社のうち9社が赤字という厳しい経営状況を反映し、経常損失は2億7000万円、親会社株主に帰属する中間純損失は2億500万円となった。「今回の決算は連結範囲を拡大したことによるコスト等の要素を含んでおり、やむを得ない過渡的な状況」(小野専務)としている。
|
|