「輸送問題が大きなテーマに」相賀委員長/出版流通改善協議会・再販関連説明会
|
- 日時: 2020/01/21 09:56:08
- 情報元: 日書連
- 日本書籍出版協会、日本雑誌協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会の出版4団体で構成する出版流通改善協議会の「再販関連」説明会が12月13日、東京・千代田区の出版クラブビルで開かれ、約140名が出席。『2019年出版再販・流通白書NO.22』の概要等について説明が行われた。
冒頭であいさつした相賀昌宏委員長(小学館)は、再販のルールを守りながら、読者利益のため柔軟な発想で再販を運用していくことが協議会の眼目だと指摘。また、「輸送問題への取り組みこそ来年の大きなテーマ。輸送というよりむしろ出版の危機といってもいい。この課題にどう取り組んだかを『出版再販・流通白書』にまとめたいと思っている」と話した。 続いて原本茂委員(小学館)が『2019年出版再販・流通白書NO.22』について、これまで別冊にしていた「再販契約の手引き」を今号は巻末に掲載したことをはじめ、出版物流の安定維持をめざす動きや、業界で取り組む弾力運用の諸活動、出版社・取次・書店における流通改善の取り組みなど概要を説明した。 説明会には日本出版取次協会(取協)の森岡憲司常務理事(中央社)、田仲幹弘理事(トーハン)、酒井和彦理事(日販)が出席し、田仲理事が出版物流と輸送会社を取り巻く現況を説明した。 田仲理事は、輸送会社のの状況について、長時間労働が常態化している中で「働き方改革関連法」が順次施行され、時間外労働の条件規制、有給休暇の取得義務など、コンプライアンスが強く求められており、荷主側にも配慮義務が課されることになったと説明。また、慢性的なドライバー不足とともに、出版輸送では業量減少と配送先の増加による輸送効率の悪化が深刻で、輸送会社は経営的に窮地に立たされており、出版輸送から撤退する会社が今後増える恐れは充分あると訴えた。 田仲理事は「各団体それぞれの立場があると承知しているが、これまでの前提条件や慣習、既得権を捨てる覚悟でないと前に進まない。出版物流を維持するために業界を挙げて建設的な議論をしていきたい」と述べ、取協では、休配日を最終的に週休2日とすることを前提に日本雑誌協会と議論を進めており、業量平準化や発売日設定の緩和にも取り組んでいくと説明した。
|
|