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【 啓文堂久我山駅出店中止を 】
日時: 2005/10/17 17:31
情報元: 日書連 < >


 東京の京王電鉄・井の頭線久我山駅舎内に啓文堂書店が出店する問題で、同駅近くで営業する久我山書店と板橋書店は9月29日、「駅の改札真正面に大規模書店が出店すれば地元小規模書店が廃業に追い込まれる」として、京王電鉄と京王書籍販売(啓文堂書店)を相手に出店差し止めの仮処分申請を東京地裁に提出した。

 申立書によると、京王電鉄は同駅改札口の正面に位置し乗降客が必ず通過する駅舎3階に、100%子会社である京王書籍販売が経営する啓文堂書店の出店を計画。

面積は87・16坪と久我山書店の約5倍、営業時間も久我山書店と板橋書店の売上げが集中する午前10時から午後10時で、地元小規模書店にとって廃業を余儀なくされるほど甚大な影響が及ぶと主張。

京王電鉄と京王書籍販売との間で賃貸借契約が締結されないこと、仮に契約締結がなされた後でも書店経営を行なわないことを求めている。

 また、京王電鉄が入店を希望する店舗の公募を実施した際、久我山書店が申し込んだところ、京王電鉄が示した賃貸条件は賃料月額217万9000円(坪2万5000円、別途歩合賃料あり)、共益費月額43万5800円(坪5000円)、敷金6275万5200円(賃料及び共益費の24ヶ月分)。

これは周辺テナント物件より約2・5倍高く不動産賃貸の常識を逸脱したもので、京王電鉄は当初からグループ内企業である啓文堂書店以外の出店を排除する意図を持っていたと指摘。

憲法13条、25条で保障される生存権的営業権(生業権)の侵害などを法的根拠として出店差し止めを求めたとしている。

 同日午前、東京地裁の司法記者クラブで開かれた記者会見で、久我山書店・山田洋一社長は@相手が社会的公共性を有する鉄道事業者であるAその100%子会社が駅舎内に出店するB都心のターミナル駅でなく住宅地を背景にした久我山駅に出店するCグループ会社の連結決算を傘に損益を度外視して出店できる――の4点をあげて、啓文堂書店の久我山駅舎内出店が一般書店の出店とは性格を異にすることを強調。

「鉄道会社によるこうした強引なやり方を変えていくため立ち上がった」と仮処分申請に至った理由を説明した。

 さらに「都内の組合加入書店は800店弱で、ほとんどが明日なき状況。

鉄道会社による駅舎内出店で街の本屋は消えていくギリギリのところに追い込まれている」と中小書店の窮状を訴え、約400通集まった署名ハガキを掲げて「明日はわが身と考えるこれら書店の声を背に受けて提訴に踏み切った」と述べた。

http://www.shoten.co.jp/nisho/bookstore/shinbun/view.asp?PageViewNo=4649
より引用
メンテ

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