【 書店から責販制提起も 】
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- 日時: 2005/10/21 09:09
- 情報元: 日書連
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神奈川日販会(松信裕会長)は10月14日午後2時半から横浜駅西口のホテルキャメロットジャパンで第35回総会を開催。
会員書店73名、出版社・輸送122名など216名が出席した。
昨年、役員体制を大幅に変更し、初めてのあいさつとなった松信裕会長は、上半期の業界成長率が前年を割り、下げ止まっていないこと、この10年で小売書店が半減したことに触れ「書店で売れないからコンビニだけで売れる本を作る。
携帯に配信する。
広告収入に頼るフリーペーパーを作る。
書店も本以外に新天地を求め、相対的に新刊の比重が減っている。
1つひとつの工夫は正しくても、合わせると大間違いという『合成の誤謬』(リチャード・クー)に出版界も陥っているのではないか。
雑誌が売れずフリーペーパーに頼れば、ますます雑誌は売れなくなり、自己否定につながる流れがある」と、現状を分析した。
また、新聞販売業界では自廃店が出るのは恥として経営指導に当ってきたことを紹介し「販売網が縮小するのは出版業界の恥。
既存店から自廃が出ないよう日販の経営指導をお願いしたい。
日販の打つ手はトリプルウイン、無伝返品と一歩先を行っている。
書店の側も責任販売制を提案し、返品率を下げる代わりにマージンアップを求めたい」と述べた。
松信会長を議長に議案審議では増売銘柄として小学館『明治時代館』(目標1500部)、講談社『旬の地魚料理づくし』『ティー&コーヒー大図鑑』(目標2銘柄で5千部)を決めたほか、青年部組織「藍青会」からは「コミック売上げUPフォーラム」を11月10日に開催することが報告された。
来賓あいさつで日販鶴田社長は販売の現状について「今年4、6、8月が若干上回ったが、返品の著しい増加で全体では非常に厳しい。
神奈川エリアは全国平均を下回っているが、雑誌主力店が多いために、雑誌の低迷が追い討ちをかけている。
アゲンストの風は強いが、潜在的な読者はいる。
トリプル・ウインの仕組みを武器に新しいお客様の発見をお願いしたい。
一方、業界は確実にシュリンクしており、売上げが減った分をリカバリーする新業態、商材も提供していきたい」と、日販の販売政策の一端を述べた。
総会第2部では、文化通信社星野渉出版担当部長が「本格的な競争時代、書店はどう変わるか」をテーマに講演した。
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